関税上昇で越境ECは『選別』の時代へ。48%が購入控えでも売れる商品の共通点
越境EC市場は関税上昇で変化。海外バイヤーの48%が購入を控える中でも、売上を伸ばす商品の共通点や、バイヤーの行動変容、セラーの具体的な戦略を解説します。
CHAPTERS
- 00:00越境ECは終わった?売れ方が完全に変わった
- 00:45関税上昇のリアルな影響とは?
- 01:30バイヤーが許容する関税のラインはどこまでか?
- 02:20関税があっても売れる商品の正体とは?
- 03:10バイヤーの購入行動はどう変化したのか?
- 04:00今の越境ECバイヤーが重視する「新常識」
- 04:50DDP時代の到来:配送・関税表示の未来
- 05:40越境ECの本質的な変化とは?
- 06:30eBayセラーが今すぐ取るべき戦略
「越境ECはもう終わりだ」――最近、こんな話を耳にすることが増えました。特に、各国での関税や税制変更が相次ぎ、海外バイヤーの購入意欲が低下しているという声も聞きます。
僕自身、JP.Companyとしてこの業界に長く身を置いているので、確かに市場には大きな変化が起きていると感じています。しかし、結論から言うと、越境ECは決して「終わって」はいません。ただ、“売れ方が完全に変わった”、これが僕らの現場での実感なんですよ。
今回、海外バイヤー185人のデータを詳細に分析してみると、実に48%もの人が「一時的に購入を控えている」という結果が出ました。これは無視できない数字です。それでも、着実に売上を伸ばしている市場や商品群が存在する。今日は、その構造を具体的に解説していきたいと思います。
関税上昇のリアルな影響とは?
まず、関税がどれくらい越境ECに影響を与えているのか、という点ですが、これはかなり大きいと言わざるを得ません。僕らの実感としても、市場全体の熱量が下がったのは事実なんですよ。ライト層の顧客が離れていく傾向は顕著に見られます。
ただ、重要なのは「完全に止まったわけじゃない」ということ。約48%が購入を控えているとはいえ、残りの52%は引き続き購入しているわけです。つまり、市場は縮小したというよりは、**“選別が起きている”**と捉えるべきなんです。以前のように、何でもかんでも売れる時代ではなく、特定の条件を満たした商品だけが選ばれるようになっている、ということですね。
EC・オンライン物販
バイヤーが許容する関税のラインはどこまでか?
では、海外バイヤーは関税に対してどこまでなら許容するのか。これはセラーにとって非常に重要なポイントです。僕らの調査では、ほとんどの人が**“15%までなら許容”**していることが分かりました。
具体的には、83.5%のバイヤーが「関税が15%以内であれば購入しても良い」と回答しています。正直、15%を超えると一気に購入へのハードルが上がるのは間違いないですね。このボーダーラインは、僕らが商品価格を設定する上でも常に意識している部分です。
しかし、面白いのは、16%以上の関税がかかる場合でも購入する層が16.5%存在する、という点です。この層は、後述する「唯一性」の高い商品を求めているヘビーユーザーが多い傾向にあります。つまり、価格と関税だけで諦める必要はない。売り方や商品の選び方次第で、この層をターゲットにすることは十分に可能なんです。
国際物流・貿易
関税があっても売れる商品の正体とは?
では、関税がかかっても売れる商品とは一体何なのか。ここが一番重要なんですけど、結論から言うと、それは**“代替できない商品”**です。唯一性がすべて、と言っても過言ではありません。
うちの会社で実際に売れている商品を見ると、その傾向は明らかです。例えば、日本のアニメグッズやマンガ・書籍、そして音楽作品などが挙げられます。これらの商品は、海外のバイヤーにとって「自国では手に入らない」「日本限定品である」「すでに廃盤になっている」といった強い唯一性を持っているんですね。
どこでも買えるような量産品や、現地でも調達可能な商品は、関税の壁によってかなり厳しくなってきていると思います。これからは、日本ならではの文化的な価値や、希少性の高い商品をいかに見つけ出し、提供できるかが、越境ECで成功するための鍵になります。
バイヤーの購入行動はどう変化したのか?
バイヤーの購入行動にも、明確な変化が見られます。面白いのは、**“購入頻度はほぼ変わっていないのに、単価が上がっている”**という点です。
僕らのデータを見ると、越境ECでの購入頻度自体は、関税上昇後も大きく変化していません。しかし、1万円以上の高単価商品の購入割合が明らかに増加しているんです。これは何を意味するかというと、ライトユーザー、つまり「ちょっと試しに買ってみようかな」という層が関税を理由に離脱し、本当に欲しいものには多少の関税を払ってでも手に入れたいと考えるヘビーユーザーだけが残っている構造になっている、ということなんですよ。
この変化は、セラーにとってチャンスでもあります。高単価で唯一性の高い商品をターゲットに絞ることで、より質の高い顧客を獲得できる可能性があるわけですから。
今の越境ECバイヤーが重視する「新常識」
今の越境ECバイヤーが何を重視しているかというと、完全に**“比較と納得感”**ですね。これは僕らが日々お客様と接する中で痛感していることです。
調査では、実に79%ものバイヤーが「複数のサイトで価格比較を行っている」と回答しています。さらに、クーポンやセールに対する意識も以前に増して高まっています。つまり、なんとなくの値付けや、競合との比較を怠った価格設定は、もう通用しない時代なんです。価格設計をミスすると、もう即死と言ってもいいくらいですね。
提供する商品の価値を明確に伝え、なぜこの価格なのかという納得感をバイヤーに与えることが、これからの越境ECには不可欠だと思っています。
DDP時代の到来:配送・関税表示の未来
配送や関税の見せ方も、大きく変わってきています。僕らが注目しているのは、**“DDP (Delivered Duty Paid、関税込み価格表示) がスタンダードになる”**という流れです。
DDPとは、商品価格に関税や消費税、配送料など、すべての費用を含めて表示し、バイヤーは表示された総額だけを支払えば良いという仕組みです。この方式が求められる理由はシンプルで、バイヤーにとって支払いがシンプルになり、何より事前に総額が明確に分かるため、「後から追加で請求される」という不安がなくなるからなんですよね。
僕らもDDPの導入は急務だと考えています。実際、海外の主要ECサイトでは、DDPが主流になりつつありますし、「あとから請求される不安」は、バイヤーにとって購入をためらう大きな障壁になっているのは間違いないですから。総額表示が、これからの越境ECにおける正義になると僕は考えています。
越境ECの本質的な変化とは?
これらの変化をまとめると、今の越境ECは一言で言うと**“フィルターがかかった市場”**になった、と言えるでしょう。関税は障害というよりも、もはや「フィルター」として機能しているんです。
このフィルターを通過し、売れる商品には大きく3つの条件があります。
- 唯一性: その国では手に入らない、日本限定、廃盤など、明確な希少価値があること。
- 納得感ある価格: 競合と比較しても、その価値に見合った適正な価格設定であること。
- 分かりやすい総額: DDPのように、最終的に支払う総額が事前に明確に提示されていること。
この3つの条件を満たすことが、これからの越境ECで勝ち残るための必須条件だと、僕自身の経験からも強く感じています。
eBayセラーが今すぐ取るべき戦略
では、僕たちeBayセラーは、この変化する市場でどう動けばいいのか。やることは、実はかなりシンプルなんですよ。
まず、低単価で代替品が豊富な量産品を扱っているセラーさんは、一度撤退を検討した方がいいかもしれません。関税の壁と価格競争の激化で、利益を出すのが非常に難しくなっています。正直、この領域での戦いは茨の道だと感じています。
代わりに、「日本でしか買えない」という唯一性のある商品を軸にするべきです。これは僕らが今一番注力している部分ですね。ニッチな市場でも、熱狂的なファンがいる商品を深掘りしていく戦略です。
そして、価格は**“総額思考”**で設定し、DDP対応を積極的に進めるか、それが難しい場合は関税の説明をきわめて明確に表示することが重要です。バイヤーに不安を与えない工夫が必須になります。さらに、クーポンを前提とした価格設計も有効です。クーポンで値引きしても十分な利益が出るような原価管理と価格設定が求められます。
越境ECが終わったわけではありません。市場は「選ばれる商品だけが売れる構造」に変化しました。この変化を理解し、適切に対応できるかどうかが、今後の売上を大きく左右するでしょう。僕自身も、この変化の波を乗りこなし、新たな成長機会を掴んでいきたいと考えています。
FAQ
Q.関税上昇で越境ECは本当に終わったのですか?
Q.海外バイヤーが許容する関税のラインはどれくらいですか?
Q.関税がかかっても売れる商品の特徴は何ですか?
Q.バイヤーの購入行動に変化はありますか?
Q.今の越境ECでバイヤーが重視するポイントは何ですか?
Q.DDP(関税込み価格表示)とは何ですか?
Q.越境ECセラーが今すぐ取るべき戦略は何ですか?
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