【荒木淳平】越境EC「終わってない」 関税増でも売れる商品の正体と新常識
越境ECは関税増で「終わった」のか?JP.Company代表の荒木淳平が、海外バイヤー185人のデータから導く「売れる商品」の条件と、DDP時代のセラー戦略を解説します。
CHAPTERS
- 00:00【越境EC崩壊?】48%が購入控え…それでも売れてる理由とは
- 00:00関税のリアルな影響とは?
- 00:00関税の許容ライン
- 00:00売れる商品の正体
- 00:00購入行動の変化
- 00:00バイヤーの新常識
- 00:00DDP時代の到来
- 00:00越境ECの本質変化
- 00:00eBayセラーの戦い方
越境ECは関税の増加で「終わった」とよく言われるんですけど、僕の結論は全く逆です。確かに市場の売れ方は完全に変わりましたが、むしろ選ばれる商品とセラーにとってはチャンスが広がっていると感じています。海外バイヤー185人の最新データを見ると、48%が購入を控えているという厳しい現実がある一方で、それでも売れ続けている市場が明確に存在するんですよ。
関税のリアルな影響は? 市場は「選別」の時代へ
関税が越境ECに与える影響はかなり大きいです。特にここ数年で、バイヤーの購買行動に明確な変化が見られます。データを見ると、約48%もの海外バイヤーが「一時的に購入を控えている」と回答しています。
全体的な熱量は下がっているのは事実です。ライト層は一時的に購入を控える傾向にある。でも、これは市場が完全に止まったわけではなく、より明確なフィルターがかかった、と捉えるのが正しいと思うんですよね。市場が縮小しているというよりは、「選別」が起きている、というのが僕の認識です。
EC・オンライン物販
バイヤーが許容する関税のラインは? 「15%」がボーダー
では、海外バイヤーはどの程度の関税なら許容してくれるのか。これが非常に重要なポイントなんですけど、ほとんどの人が「15%までなら許容できる」と考えていることが分かりました。具体的には、83.5%のバイヤーが15%以内なら問題ない、と回答しています。
実際にうちのデータでも、この15%という数字は非常に大きくて、それを超えると一気に購入のハードルが上がるのが見て取れます。もちろん、16%以上でも買う層は16.5%いるわけですから、一概に「売れない」とは言えないんですけどね。高額商品や唯一無二の商品であれば、このハードルを超えても購入してもらえる可能性はあります。
国際物流・貿易
関税があっても売れる商品の正体は? 「唯一性」が鍵
関税が高くなっても売れる商品、その正体は「代替できない商品」です。これは越境ECを長年やってきて、僕が最も強く感じていることでもあります。
具体的には、アニメグッズ、日本のマンガや書籍、そして音楽作品などが挙げられます。これらの商品は、自国では買えない、日本限定品である、あるいはすでに廃盤になっているといった「唯一性」がすべてなんですよ。どこでも買えるような量産品や、現地で安価に手に入るような商品は、今後ますます厳しくなるでしょうね。
バイヤーの購入行動に変化? 「単価上昇」と「ヘビーユーザー化」
海外バイヤーの購入行動にも明確な変化が見られます。購入頻度自体はほぼ変化していませんが、1万円以上の購入割合が増加しているんです。僕らの肌感覚とも合致するんですけど、これは非常に興味深い傾向だと思いますね。
つまり、関税というフィルターによって、ライト層が市場から離脱し、本当に欲しいものにはお金を払うヘビーユーザーだけが残っている、ということだと分析しています。越境EC市場は、より目利きが効く、購買意欲の高い層に絞られてきていると言えるでしょう。
今のバイヤーが重視する「新常識」とは? 徹底した「比較と納得感」
今の海外バイヤーが何を重視しているかというと、完全に「比較と納得感」ですね。79%ものバイヤーが複数サイトで価格比較を行っており、クーポンやセールに対する意識も非常に高まっています。
昔のように、なんとなくの値付けで売れる時代は完全に終わりました。価格設計のミスは、そのまま売上機会の損失に直結します。うちでも常に、どうすればお客様に「この価格なら納得できる」と感じてもらえるかを考えていますよ。戦略的な価格設定が、これまで以上に重要になります。
越境ECの未来は「DDP」がスタンダードに
配送や関税の見せ方についても、大きな変化が起きています。今後は「DDP(Delivery Duty Paid:関税込み価格表示)」がスタンダードになっていくと僕は見ています。これは、商品価格と送料、そして関税を含めた総額を、購入前に明確に表示する方法のことです。
お客様にとって一番嫌なのは、商品が届くときに「後から追加で関税を請求される」という不安なんですよ。だから、支払いがシンプルで、事前に総額が明確にわかるDDPでの価格表示が、これからの越境ECでは必須になっていくと見ています。この「あとから請求される不安」を解消できるかどうかが、購入を左右する大きな要因になるでしょう。
越境ECは「フィルター市場」へ セラーが取るべき戦略
まとめると、今の越境ECは「フィルターがかかった市場」になった、と言えます。関税は障害ではなく、むしろ市場を洗練させるフィルターとして機能しているんです。この新しい市場で売れる条件は、大きく分けて3つあります。
一つは「唯一性」。日本でしか買えない、代替品がない商品であること。二つ目は「納得感ある価格」。バイヤーが比較した上で、その価格に価値を感じられること。そして三つ目は「分かりやすい総額」。DDP対応などで、購入前に最終的な支払い額が明確であることです。
では、越境ECセラーはどう動けばいいのか。やることはかなりシンプルです。まず、低単価や量産品を扱っているなら、撤退を検討する時期かもしれません。そして、「日本でしか買えない」という軸を徹底的に追求する。価格設定は「総額思考」で、DDP対応を行うか、少なくとも関税の説明を非常に明確にすることです。さらに、クーポン前提の価格設計を取り入れるなど、お客様に「お得感」を提供することも忘れてはいけません。
僕らの事業でも、この変化には敏感に対応してきました。例えば、安価な日用品のような商品はもうほとんど扱っていません。代わりに、日本のカルチャーに根差した唯一無二の商品に特化しています。そして、価格表示もDDPを前提に、お客様が安心して購入できるよう工夫を凝らしていますよ。この変化の本質を理解し、戦略的に対応できるかどうかが、今後の越境ECビジネスの成長を左右するでしょうね。越境ECの具体的な戦略については、他のコラムでも詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧いただけると嬉しいです。
FAQ
Q.関税増加で越境ECは本当に終わったのでしょうか?
Q.海外バイヤーはどの程度の関税なら許容する傾向にありますか?
Q.関税があっても売れる商品はどんなものですか?
Q.バイヤーの購入行動に変化はありますか?
Q.今後の越境ECで重視すべき価格表示方法は何ですか?
Q.越境ECセラーが今すぐ取るべき戦略は何ですか?
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