経営者は「怖い」と「なめられる」、組織を強くするのはどちらか?
越境EC・ラグジュアリーリユース事業を率いるJP.Company代表の荒木淳平が語る、経営者のリーダーシップ論。「怖い存在」と「なめられる存在」のメリット・デメリットから、理想の組織運営を深掘りします。
経営者にとって、社員からどう見られるか、どういう関係性を築くかって、すごく重要なテーマだと思うんですよね。よく「怖い経営者の方がいいのか、それとも社員になめられるくらいの方がいいのか」って聞かれることがあるんですけど、これって本当に奥が深い話で、僕自身も創業以来ずっと考え続けてきたことなんです。
結論から言うと、僕が考える理想は、**「怖がらせる必要はないけど、尊敬される存在であること」**だと思っています。もちろん、その過程では様々な経験をしてきましたし、正解は一つじゃないというのもよく分かります。でも、うちの会社、JP.Companyをここまでの規模に成長させてきた中で、確信に変わってきた部分があるんです。
「怖い経営者」がもたらす組織の光と影
「怖い経営者」と聞くと、まずイメージするのは、規律が厳しくて、意思決定が速く、短期的な成果を追求する組織じゃないかと思うんですよ。実際、創業初期の僕も、ある意味では「怖い」存在だったかもしれません。とにかくがむしゃらに事業を大きくしようとしていましたし、結果を出すためには厳しさも必要だと思っていましたからね。
このスタイルには、確かにメリットがありました。例えば、新しい事業を立ち上げる時や、市場の変化に迅速に対応しなければならない局面では、トップダウンで一気に物事を進められるスピード感は大きな武器になります。社員も「社長が言うならやるしかない」と、迷いなく動いてくれる。実際に、うちがeBay(イーベイ:世界最大級の越境ECプラットフォーム)で日本販売実績1位を4度獲得できたのも、このスピード感があったからこそ、という側面はあったと思います。
一方で、デメリットも痛感しました。社員が萎縮してしまって、意見を言いにくい雰囲気になってしまうんですよね。新しいアイデアが出てこなかったり、失敗を恐れてチャレンジしなくなったり。何より、心理的安全性(組織やチームの中で、自分の意見や感情を安心して表現できる状態)が低いと、社員が本来持っている能力を十分に発揮できない。結果的に、離職率が高まるリスクも抱えることになります。僕自身、組織が大きくなるにつれて、「このままではダメだ」と強く感じるようになったんです。
「なめられる経営者」が育む組織の力とは
では、反対に「なめられるくらいの方が良い」という考え方。これは、社員との距離が近く、フランクな関係性を築ける点が魅力ですよね。心理的安全性が高く、社員が自由に意見を言えたり、新しい提案をしやすかったりする。結果として、社員一人ひとりの主体性やオーナーシップ(当事者意識)が育ち、自律的な組織へと成長していく可能性を秘めていると思います。
うちの会社でも、組織が拡大していく中で、僕自身のスタンスを少しずつ変えていきました。例えば、以前は僕が全てを決めていたようなことも、今は各部署の責任者に任せるようにしていますし、社員からの提案には耳を傾け、積極的に議論する時間を設けています。実際にやってみると、社員が「自分たちの会社だ」という意識を持ってくれるようになり、業務改善や新規事業のアイデアがどんどん出てくるようになったんですよね。
ただ、このスタイルにも注意すべき点はあると感じています。もし「なめられる」が「尊敬されない」という意味合いに繋がってしまうと、規律が緩んだり、責任感が希薄になったりするリスクがあるんです。最終的な意思決定が遅れたり、目標達成へのコミットメントが弱くなったりする可能性も出てくる。だからこそ、フランクな関係性の中でも、経営者としての軸やビジョンをしっかり示し、社員からの信頼と尊敬を失わないことが重要になるんです。
僕が考える「理想の経営者像」と組織の成長
結局のところ、経営者は「怖がらせる」のでもなく、「なめられる」のでもなく、**「信頼と尊敬を得られる存在」**を目指すべきだと僕は考えています。これは、僕が未経験から知識ゼロで起業し、年商70億円を達成するまで、そしてこれからも事業を拡大していく上で、最も大切にしていることです。
具体的に言うと、まず「ビジョンを明確に語ること」は欠かせません。僕たちが何を目指していて、なぜその事業をやっているのか。社員がそのビジョンに共感し、「この社長についていきたい」と思ってくれるからこそ、日々の業務にも意味を見出し、前向きに取り組んでくれるんだと思うんです。越境ECやラグジュアリーリユースという、変化の激しい業界で生き残っていくには、全社員が同じ方向を向いて進むことが不可欠ですからね。
それから、「社員の成長を心から願うこと」。これは言うは易く行うは難し、なんですけど、本当に社員一人ひとりのキャリアやスキルアップに関心を持ち、成長の機会を提供していく。失敗を責めるのではなく、「次どうすればいいか」を一緒に考える。うちで起きたケースだと、新しいライブコマースの企画で思うような成果が出なかった時でも、担当者を一方的に責めるのではなく、何が原因で、どう改善できるかを徹底的に話し合いました。その結果、次の企画では見事に目標達成してくれたんですよね。こういう経験の積み重ねが、社員との信頼関係を深めていくんだと思っています。
心理的安全性とオーナーシップを両立させるマネジメントの秘訣
心理的安全性とオーナーシップを両立させるためには、やはり「対話」が鍵になります。僕は、社員との定期的な1on1ミーティングや、気軽に意見を出し合えるようなオープンな会議を積極的に設けています。また、会社の目標設定においても、トップダウンで一方的に決めるのではなく、各部署や個人が目標設定に参加し、自らコミットできるようなプロセスを重視しています。
うちの会社では、特に「失敗を恐れずにチャレンジする文化」を大切にしています。新しい越境ECの販路開拓や、リユース品の真贋鑑定技術の向上など、常に新しい挑戦が求められる業界ですから、失敗はつきものなんですよ。でも、その失敗から何を学び、どう次に活かすかの方がずっと重要だと思っています。だからこそ、社員には「どんどん挑戦してほしい」と常に伝えていますし、僕自身が率先して新しいことに挑戦する姿を見せるようにしています。
最終的に、経営者は社員にとって、目標であり、時には相談相手であり、そして何よりも「信頼できるリーダー」であるべきだと僕は考えています。厳しい局面でも、社員が「この社長ならきっと乗り越えてくれる」と信じてくれるような、そんな存在になれるよう、これからも自分自身を磨き続けていきたいですね。
FAQ
Q.経営者は「怖い」と「なめられる」どちらが良いですか?
Q.「怖い経営者」のメリットとデメリットは何ですか?
Q.「なめられる経営者」のメリットとデメリットは何ですか?
Q.理想の経営者像とは具体的にどのようなものですか?
Q.心理的安全性とオーナーシップを両立させるにはどうすれば良いですか?
Q.荒木淳平さんが経営で最も大切にしていることは何ですか?
関連クエリ:
