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2026.09.07越境EC米国関税輸出ビジネス

米国「対日12.5%関税」は越境ECにどう影響する?経営者が語るリスクと備え

米国が検討する対日12.5%関税案は、越境ECビジネスに大きな影響を与えます。提案の現状、法的な壁、そして日本企業が今すぐ取るべき対策について、JP.Company代表の荒木淳平が解説します。

CHAPTERS

  • 00:00オープニングトーク
  • 00:30現状と仕組み:12.5%関税は「決定」ではない?
  • 02:15恐怖のルール:米国特有の「証明責任」と法的な壁
  • 04:00まとめ

今、越境ECの現場で最も注目しているのが、米国が日本製品に対して検討している新たな関税案です。特に「対日12.5%」という数字が一人歩きしている部分もありますが、これは単なる数字以上の意味を持つ可能性があると僕は見ています。冷静に現状を把握し、早めに対策を講じることが、これからのビジネスを左右するでしょう。

「対日12.5%関税」は本当に決定なのか?現状と仕組み

まず、一番大事なこととしてお伝えしたいのは、この「12.5%関税」は現時点では**米通商代表部 (USTR)**が進めている「提案段階」であって、確定したわけではないということです。まずはここを冷静に受け止める必要がありますね。

では、なぜ日本が追加関税の対象として狙い撃ちにされているのか? その背景には、中国・新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題があります。残念ながら、アメリカ側から見て、日本は「強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない国」とみなされ、追加関税のグループに入れられてしまった…というのが現状の認識です。

ここで注意が必要なのは、単純に今の関税に「+12.5%」が上乗せされるわけではない、という点です。関税の上限は**15%**に抑えられる見込みだとされています。つまり、今まで関税0%だった商品は12.5%に、すでに数%かかっている商品も、合計で最大15%程度に調整される可能性が高いと言われているんですよ。

僕らのように越境ECで商品を売っている立場からすると、この15%という数字は無視できないインパクトです。原価計算や販売戦略に直結しますからね。利益率の低い商品だと、これだけでビジネスが成り立たなくなるケースも出てくるんじゃないかと危惧しています。

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なぜ「提案段階」でも警戒すべきなのか?米国特有の商習慣

「まだ提案段階なら、そこまで気にしなくてもいいんじゃないか?」そう思われる方もいるかもしれません。でも、ここがアメリカの商習慣、特に法律や税関の運用における、日本とは大きく異なる点なんです。

今回の提案の根拠となっているのは、米国の通商法301条です。この法律は法的な安定性が高く、一度実施されてしまうと、大統領が変わってもそう簡単には覆らないという特徴を持っています。つまり、一度決まってしまうと、かなり長期にわたって影響が続く可能性が高い、ということなんですよね。一時的なものではないと覚悟する必要があると考えています。

僕が最も恐ろしいと感じているのが、**「疑わしきはまず止める」**というアメリカ税関のスタンスです。日本の法律は「疑わしきは罰せず」が基本ですが、アメリカの税関は真逆。少しでも怪しいと判断されれば、まず輸入をストップし、その商品に問題がないことを「企業側」に証明させます。この「証明責任」が、関税のパーセンテージ以上に、越境EC事業者にとって恐ろしい壁になると僕は考えているんです。

実際に、うちの取引先でも過去に、材料の出所が証明できないという理由で商品が税関で差し止められたケースがありました。その時は、書類を揃えたり、弁護士と相談したりで、時間もコストもかなりかかりましたし、何より販売機会を完全に失ってしまいました。一度止まってしまうと、ビジネスへのダメージは計り知れないんですよ。

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越境EC事業者が今すぐ取るべき具体的な対策

では、この状況に対し、僕たち越境EC事業者は具体的にどう備えるべきでしょうか。僕は大きく3つの対策が重要だと考えています。

1. サプライチェーンの透明化を徹底する

まず最も重要なのは、サプライチェーンの透明化です。使用している部品や素材がどこで、どのように作られたのかを、明確に証明できるようにしておく必要があります。製造委託先や原材料の仕入れ先と密に連携し、原産地証明や製造工程の記録をいつでも提示できる体制を構築することが急務です。これは、今後さらに厳しくなる国際的な貿易ルールに対応するためにも不可欠なことだと僕は思います。

2. コスト構造を徹底的に見直す

次に、コスト構造の見直しです。もし12.5%〜15%の関税が上乗せされたとしても、利益を確保できる価格設定や、物流コストの最適化を今から検討しておくべきでしょう。仕入れ価格の交渉、梱包資材の見直し、輸送ルートの最適化など、あらゆる角度からコスト削減の可能性を探る必要があります。関税が加わっても戦える体力があるか、シミュレーションしておくことが重要です。

3. 販売チャネルを多角化する

そして、特定の市場に依存しない販売チャネルの多角化も重要です。米国市場が難しくなっても、他の国や地域に販路を広げられるよう、準備を進めるべきだと僕は思います。欧州や東南アジア、中東など、成長が見込まれる市場への進出を検討し、リスクを分散しておくことが、持続可能なビジネスを築く上で欠かせません。

うちでも、サプライヤーとの契約を見直し、原産地証明の徹底を依頼していますし、欧州や東南アジア市場への販路拡大も積極的に進めているところです。実際に動き出すと、意外と見えてくる課題も多いんですよね。でも、それらを一つずつクリアしていくことが、僕ら経営者の仕事だと思っています。

まとめ

米国「対日12.5%関税」の提案は、まだ確定ではないとはいえ、越境ECビジネスにとって無視できないリスクです。しかし、リスクを認識し、早めに対策を講じることで、新たなビジネスチャンスに転換することも可能だと僕は信じています。変化の激しい時代だからこそ、常にアンテナを高く持ち、柔軟に対応していくことが経営者として求められているんじゃないかな、と思っています。

FAQ

Q.米国が検討している対日12.5%関税は確定ですか?
現時点では米通商代表部 (USTR) による「提案段階」であり、まだ確定したものではありません。しかし、法的な安定性が高く、一度決定すると覆りにくい特徴があります。
Q.なぜ日本が追加関税の対象とされているのですか?
中国・新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題が背景にあり、アメリカ側から見て日本が「強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない国」とみなされているためです。
Q.12.5%の関税が上乗せされると、実効税率はどうなりますか?
単純に12.5%が上乗せされるわけではなく、関税の上限は15%に抑えられる見込みです。現在0%の商品が12.5%に、既存の関税がある商品も合計で最大15%程度に調整される可能性があります。
Q.「通商法301条」とは何ですか?
米国の通商法301条は、外国の不公正な貿易慣行に対して米国政府が制裁措置を講じることを可能にする法律です。一度実施されると長期化しやすく、大統領が変わっても覆りにくい特徴があります。
Q.米国税関の「証明責任」とはどのようなものですか?
米国税関は「疑わしきはまず止める」というスタンスで、少しでも疑わしいと判断された輸入貨物は差し止められ、問題がないことを企業側が証明する責任を負います。
Q.越境EC事業者が今すぐできる対策は何ですか?
サプライチェーンの透明化、コスト構造の見直し、そして米国以外の市場への販路拡大といった販売チャネルの多角化を今から検討・実行することが重要です。

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