MONOSHARE
2026.07.10越境EC米国関税貿易摩擦

越境EC経営者が語る、米国新関税「対日12.5%」案の真実と事業者が備えるべき壁

JP.Company代表の荒木淳平が、米国が提案する対日12.5%関税案について解説。決定ではないが、越境EC事業者が直面する「証明責任」という法的な壁と、今から備えるべきことを語ります。

今、越境EC業界で大きな話題になっているのが、米国が日本に対して提案している「対日12.5%の追加関税案」ですよね。これが本当に実施されるのか、いつからなのか、そして僕たち事業者にどんな影響があるのか、不安に感じている方も多いんじゃないかと思います。

僕自身も、このニュースには常にアンテナを張っています。結論から言うと、現時点ではまだ決定事項ではないですし、過度に心配しすぎる必要はない。ただ、「いざ」という時にどう対応するか、その備えは今から考えておくべきだと強く感じています。

【速報】対日12.5%関税案は「決定」ではない。冷静な現状把握が重要

まず最も重要なこととして、この「対日12.5%の追加関税案」は、現時点では米通商代表部(USTR)が進めている**「提案段階」**であって、まだ確定したものではないんです。報道によっては「決定」のように受け取られがちですが、ここは冷静に事実を把握しておく必要があります。

じゃあ、なぜ日本が追加関税の対象になりうるのか、という背景も知っておくべきでしょう。主な理由は、中国の新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題です。アメリカ側は、日本が「強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない国」とみなしている可能性がある。そのため、追加関税の検討グループに入れられてしまった、というのが現状の見方なんですよね。

実効税率は「上限15%」に収まる見込み

もう一つ、誤解されがちなのが、既存の関税に単純に12.5%が上乗せされるわけではない、という点です。もしこの案が実施されたとしても、関税の実効税率は**「上限15%」**に抑えられる見込みだとされています。

これはどういうことかというと、例えば今まで関税が0%だった商品には12.5%が適用される可能性があります。一方で、すでに数%の関税がかかっている商品も、合計で最大15%程度に調整される可能性が高い、ということなんですね。つまり、すでに高関税の商品がさらにとんでもない税率になる、というわけではない、と理解しておくと良いと思います。

ただ、僕らの経験からすると、こうした関税変更や規制強化の動きは、水面下で進み、ある日突然発表されることも少なくありません。過去にも予期せぬ変更に、サプライチェーンの見直しや価格戦略の再構築を迫られたケースはたくさんあります。だからこそ、「まだ決まってないから大丈夫」と高を括るのではなく、常に情報収集を怠らないことが大切だと考えています。

経営・チーム経営・チーム

米国特有の「証明責任」が越境EC事業者を追い詰める

「なんだ、まだ提案段階なら、そこまで気にしなくていいのかな?」と思う方もいるかもしれません。でも、正直なところ、僕がこの関税案以上に恐れているのが、米国特有の**「証明責任」**という法的な壁なんです。

今回の提案の根拠となっているのは、米国通商法**「301条措置」**です。これは、他国の不公正な貿易慣行に対して制裁措置を課すことができる法律で、一度実施されてしまうと、大統領が変わってもそう簡単には覆らないという特徴があるんです。つまり、一度決まると長期的な影響が出る可能性が高い、ということですね。

「疑わしきはまず止める」米国税関の厳格なスタンス

この301条措置と深く関わってくるのが、米国税関のめちゃくちゃ厳格なスタンスです。日本の法律は「疑わしきは罰せず」が基本ですよね。でも、アメリカの税関は真逆なんです。「少しでも怪しいなら、まずは輸入をストップし、問題がないことを**『企業側』に証明させる**」という姿勢を徹底しているんですよ。

これは本当に厄介なんです。うちで過去に起きたケースでも、ある商品の原材料の出所について詳細な証明を求められ、書類提出に手間取ったことがあります。その間、商品は税関でずっと止められてしまい、販売機会を大きく逸してしまいました。最終的には問題なしと判断されましたが、その間にかかる時間的コストや機会損失は計り知れません。

特に今回の関税案の背景にあるのが強制労働問題ですから、例えば「この製品に使われている〇〇という素材が、強制労働によって生産されていないことを証明せよ」といった要求が来る可能性も十分に考えられます。これを、僕たちのような中小の越境EC事業者が、英語で、しかも米国の厳しい基準に合わせて完璧に証明し続けるのは、想像以上に高いハードルになるでしょう。

だからこそ、単に関税のパーセンテージだけでなく、この「証明責任」という法的な壁にどう備えるかが、今後の越境EC事業の安定性を左右する重要なポイントになってくるんじゃないかと思っています。サプライヤーとの連携強化、書類管理の徹底、そして万が一の時のための法的アドバイスの準備など、今からできることはたくさんあるはずです。

まとめ

米国が提案している「対日12.5%の追加関税案」は、まだ決定段階ではありません。しかし、その背景にある通商法301条措置や、米国税関の「証明責任」という厳格なスタンスは、越境EC事業者が決して軽視できないリスクだと僕は考えています。

僕たちは常に変化する国際情勢や貿易ルールに目を向け、いざという時に迅速に対応できる体制を整えておく必要があります。情報収集を続けながら、自社のサプライチェーンやコンプライアンス体制を見直す良い機会だと捉えるべきでしょう。今後も、この件については注視し、新たな情報があれば共有していきたいと思っています。

FAQ

Q.米国が提案する対日12.5%関税案はいつから適用されますか?
現時点ではまだ提案段階であり、確定していません。具体的な適用時期についても未定です。常に最新の情報を確認することが重要です。
Q.なぜ日本が追加関税の対象として検討されているのですか?
中国の新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題が背景にあります。米国側は、日本が強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていないと見ている可能性があります。
Q.12.5%の関税が導入されると、すべての商品に上乗せされますか?
単純に上乗せされるわけではありません。関税の実効税率は「上限15%」に収まる見込みです。既存の関税と合わせて最大15%程度に調整される可能性があります。
Q.「通商法301条措置」とは何ですか?
米国通商法301条は、他国の不公正な貿易慣行に対して制裁措置を課すことができる法律です。一度実施されると、長期的に影響が続く傾向があります。
Q.米国税関の「証明責任」とは、具体的にどういうことですか?
米国税関では、輸入商品の材料の出所や製造過程に少しでも疑いがある場合、企業側が「問題がないこと」を証明する責任を負います。証明できないと商品が差し止められる可能性があります。
Q.越境EC事業者はこの状況にどう備えるべきですか?
サプライヤーとの連携強化、原材料の出所が明確な書類管理の徹底、そして万が一の時のための法的アドバイスの準備など、コンプライアンス体制の強化が重要です。

関連クエリ:

米国新関税 対日12.5%越境EC 関税 リスク通商法301条措置 日本米国税関 証明責任強制労働問題 越境EC荒木淳平 JP.Company

CONTACT / VIEW SERVICES

SHARING JAPAN'S FINEST
WITH THE WORLD.

ご質問・お問い合わせがございましたら、お気軽にお問い合わせください。