MONOSHARE
2026.02.04アシックスミズノ経営戦略

アシックスとミズノ、同じ日本企業なのに「なぜ差がついたのか」経営者が語る3つの戦略的違い

アシックスとミズノ、かつてのライバル企業が今や売上3倍以上の差。越境EC経営者・荒木淳平が、両社の業績を分けた決定的な3つの戦略的違いを解説します。

CHAPTERS

  • 00:00オープニングトーク
  • 00:30業績の現状:アシックスの圧勝
  • 01:45共通する改善策:脱・安売り
  • 02:50格差を生んだ「決定的な3つの違い」
  • 05:30今後の懸念点
  • 06:40エンディング

同じ日本のスポーツメーカーなのに、アシックスとミズノの間には、今や売上規模で3倍以上もの大きな差がついています。かつては共に苦境を経験した両社ですが、なぜこれほどの格差が生まれたのでしょうか。僕自身の越境ECビジネスの経験も踏まえ、その戦略的な違いについて掘り下げてみたいと思います。

アシックスとミズノ、業績に「圧倒的な差」が生まれた背景

まず、現在の両社の業績を見てみましょう。数字で比較すると、その差は歴然としています。

アシックスは、まさに過去最高水準の快進撃を続けています。彼らは「ランニング」への選択と集中を徹底し、これが大成功を収めました。直近の売上高は6,785億円、営業利益は1,001億円に到達し、まさに絶好調。2025年12月期通期の営業利益予想は約1,360〜1,400億円とされており、このまま過去最高を更新する勢いなんですよね。

一方、ミズノも業績改善は進んでいますが、規模でいうとアシックスには及ばない状態です。売上高は約2,300〜2,400億円規模で、営業利益は直近で約208億円といったレンジ。もちろん、回復していることは素晴らしいんですが、営業利益の額で見ると、アシックスの足元には及ばないというのが正直なところです。

結論として、かつては共に苦境にあえいでいた時期もあった両社ですが、現在ではアシックスがミズノを大きく引き離し「圧勝」していると言えるでしょう。

両社に共通する「脱・安売り」戦略の成功

ミズノも手をこまねいていたわけではありません。実は、両社がやってきた施策の方向性には似ている部分もあるんですよ。特に「儲かる体質」への改善という点では、共通の戦略が見られます。

両社とも、「脱・安売り」戦略を進めました。具体的には、在庫を絞り込み、セールの安売りを抑制することで、「良いものを定価で高く売る」というブランドビジネスへの転換を図ったんです。これは、まさに僕らが越境ECでラグジュアリーリユース品を扱う際にも意識する「ブランド価値の維持」に通じる考え方ですね。

また、ターゲットの変化も共通しています。卸売りだけでなく、DTC(Direct to Consumer:メーカーが直接消費者に商品を販売するビジネスモデル)を強化し、機能性だけでなく、普段履きできるファッション性の高い「スポーツスタイル」市場へ展開している点も同じです。僕らの業界でも、エンドユーザーとの直接的な関係構築は非常に重要なので、この方向性はすごく理にかなっていると感じます。

なぜ差がついたのか?両社を分けた「3つの決定的な違い」

似たような対策をしているのに、なぜここまで大きな差がついてしまったのか。ここが今回の本題です。僕が考える決定的な違いは、大きく3つあります。

1. 海外売上比率の差

最も顕著な違いの一つが、海外売上比率です。アシックスは、海外比率がなんと80%を超えています。特に欧米市場で「高機能ブランド」としての地位を確立しており、ドルやユーロでガッツリ稼いでいるんですよ。これは、昨今の円安の恩恵をフルに受けていることを意味します。

一方、ミズノの海外比率は約39%ほど。依然として日本市場への依存度が高く、海外での利益率が低いままなんです。僕も越境ECをやっていますから、為替の影響力は肌で感じます。円安が続けば続くほど、海外売上比率が高い企業は圧倒的に有利になりますから、この差は非常に大きいと言えるでしょう。

2. 「選択と集中」の徹底度

次に、経営資源をどこに集中したか、その徹底度合いに大きな差があります。アシックスは、儲からない用品系を切り捨て、得意な「ランニングシューズ」と、ファッションブランドとしての地位を確立した「オニツカタイガー」に経営資源を全振りしました。これはまさに、強みに特化する戦略の成功例ですよね。

ミズノは「総合スポーツメーカー」の看板を下ろせず、野球やゴルフなどの用品も維持しました。職人技や日本製へのこだわりは本当に素晴らしいと思うんですけど、ビジネスとしては力が分散してしまっている側面があるのは否めません。限られたリソースの中で、どこに集中するかは経営の重要な判断ポイントだと改めて感じます。

3. 投資姿勢

そして、投資に対する姿勢も両社の明暗を分けた要因だと見ています。アシックスは、コロナ禍前から、デジタル化や広告宣伝費に巨額の先行投資を行ってきました。これが今のブランドブームを作り出す土台になったんですよね。リスクを取って未来に投資した結果が、今まさに花開いている状態です。

ミズノは、堅実な経営を維持しました。結果として、大怪我はしなかったかもしれませんが、爆発的なグローバル成長の波には乗り切れなかった。僕も越境ECをやっていて感じるんですけど、先行投資ってやっぱり大事なんですよね。特にグローバル市場で戦うためには、デジタルマーケティングやブランド構築への投資は不可欠だと痛感しています。

アシックスも安泰ではない?「スポーツスタイル市場」の潜在リスク

では、アシックスはこのままずっと安泰なのかというと、そうとも限りません。両社がいま注力している「ファッション向けスニーカー」というスポーツスタイル市場は、流行り廃りが激しいレッドオーシャン(競争が激しい市場)なんです。

アシックスは、確固たる「ランニング文化」という本業の強みと、ファッション界で不動の地位を築いた「オニツカタイガー」という2つの軸があるからこそ、この市場でも強い位置を保てています。しかし、ミズノは明確な軸が見えにくい点がリスクとして指摘されています。今のレトロブームが去った後、失速するリスクが高いんじゃないかと僕もちょっと懸念していますね。常にアンテナを張って、次のトレンドを見極める必要があるのは、どんなビジネスでも同じだと感じます。

まとめ

アシックスとミズノの事例は、経営戦略の選択がいかに企業の命運を分けるかを示す好例だと思います。特に「海外市場への積極的な展開」「徹底した選択と集中」「未来への先行投資」は、グローバルで戦うあらゆる日本企業にとって示唆に富むポイントではないでしょうか。僕自身も、日々の経営でこれらの教訓を活かしていきたいと考えています。

FAQ

Q.アシックスとミズノの現在の業績差はどれくらいですか?
アシックスは売上高約6,785億円、営業利益1,001億円(2025年12月期予想約1,360〜1,400億円)で過去最高水準です。ミズノは売上高約2,300〜2,400億円、営業利益約208億円で、アシックスの約3分の1程度の規模です。
Q.両社に共通する経営改善策は何ですか?
両社とも「脱・安売り」戦略として在庫を絞り定価販売を強化しました。また、卸売りだけでなくDTC(Direct to Consumer)を強化し、機能性だけでなくファッション性の高い「スポーツスタイル」市場へ展開しています。
Q.アシックスの海外売上比率はどのくらいですか?
アシックスの海外売上比率は80%を超えており、欧米市場での高機能ブランドとしての地位を確立しています。これにより、円安の恩恵を大きく受けています。
Q.ミズノの海外売上比率はどのくらいですか?
ミズノの海外売上比率は約39%です。日本市場への依存度が高く、海外での利益率がアシックスに比べて低い状態です。
Q.アシックスが「選択と集中」で成功した具体例は何ですか?
アシックスは儲からない用品系を切り捨て、「ランニングシューズ」とファッションブランドとしての「オニツカタイガー」に経営資源を集中投下しました。
Q.ミズノが「選択と集中」で課題を抱えたのはなぜですか?
ミズノは「総合スポーツメーカー」としての看板を下ろせず、野球やゴルフなどの用品も維持しました。職人技へのこだわりは素晴らしいものの、経営資源が分散してしまった側面があります。
Q.アシックスの投資姿勢はどのようなものでしたか?
アシックスはコロナ禍前からデジタル化や広告宣伝費に巨額の先行投資を行いました。これが現在のブランドブームとグローバル成長の土台を築きました。
Q.スポーツスタイル市場に潜むリスクとは何ですか?
ファッション向けスニーカーが中心のスポーツスタイル市場は、流行り廃りが激しいレッドオーシャンです。アシックスは軸がありますが、ミズノは明確な軸が見えにくく、ブームが去った後の失速リスクが指摘されています。

関連クエリ:

アシックス ミズノ 業績 比較アシックス ミズノ 差 なぜアシックス 経営戦略ミズノ 経営戦略越境EC スポーツブランドグローバル展開 日本企業オニツカタイガー 成功要因スポーツメーカー 選択と集中

CONTACT / VIEW SERVICES

SHARING JAPAN'S FINEST
WITH THE WORLD.

ご質問・お問い合わせがございましたら、お気軽にお問い合わせください。