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2026.09.25越境EC物流コストDHL

越境ECの物流コスト高騰にどう立ち向かうか?DHL値上げの背景と5つの対策

DHLの送料値上げは越境ECセラーに大きな影響を与えます。荒木淳平が、値上げの背景、今後の見通し、そしてセラーが今すぐ取るべき具体的な5つの対策を解説します。

CHAPTERS

  • 00:00オープニングトーク
  • 00:00問題提起
  • 00:00値上げの背景と理由
  • 00:00今回の値上げ、どれくらい影響するのか?
  • 00:00他の配送会社も“追随”の可能性大
  • 00:00越境ECセラーが今やるべき対策
  • 00:00エンディング

DHLが9月から送料を一律3%値上げすると発表しました。越境ECでビジネスを展開する僕たちにとって、これは決して小さくないインパクトがあると感じています。

正直なところ、単に「送料が上がる」という問題だけではないんですよね。利益率の悪化はもちろん、事業の持続可能性そのものに関わる大きな変化だと捉えています。今回は、この値上げの背景から、実際にどう影響するのか、そして僕たちが今すぐできる対策について、僕の経験も踏まえながらお話ししたいと思います。

DHLの送料値上げはなぜ避けられないのか?その背景にある3つの要因

DHLが今回、送料を値上げせざるを得ない背景には、大きく分けて3つの要因があると考えています。

1. トランプ関税再燃による通関処理の複雑化

まず一つは、アメリカのトランプ前政権時代に導入された関税政策が、再燃の兆しを見せていること。これが越境EC、特にアメリカ向けの物流に大きな負担をかけているんですよね。

具体的には、通関処理が以前よりも格段に複雑化しています。米国向けの税金表示や申告作業が追加され、DHL側もその対応に追われています。こうした業務量の増加は、当然ながら人件費の上昇に直結するわけです。物流会社としては、この増えたコストを吸収しきれなくなるのは、ある意味で避けられないことだと思います。

2. 世界的なインフレと人件費の上昇

次に、世界的なインフレの進行と、それに伴う人件費の高騰も大きな要因です。ここ数年、原油価格の高騰は落ち着きつつありますが、燃料費は依然として高い水準で推移していますし、特に航空貨物部門では、専門的なスキルを持つ人材の確保が非常に難しくなっています。

僕たちの業界でも感じることですが、人件費は確実に上がっています。物流の現場で働く方々の賃金が上がっていくのは良いことだとは思うんですけど、その分、サービスの提供コストも上がってしまうのは避けられない流れなんですよね。

3. 年末の物流ピークに向けた先行対応

そして三つ目は、毎年恒例の年末商戦、つまり11月から12月にかけてのeコマース需要のピークに備えた先行対応という側面です。この時期は、世界中で荷物が集中し、物流網がパンク寸前になることもしばしばあります。

DHLは、このピーク時に安定したサービスを提供するために、事前に価格を調整しているんです。実は、毎年1月や2月にも値上げがあるんですけど、一気に大きな値上げをするよりも、こうして段階的に上げていく方が、利用者へのインパクトが少ないと考えているのかもしれませんね。うちもそうですが、急な変動は経営に響きますから、段階的な方が計画は立てやすい、という見方もできます。

EC・オンライン物販EC・オンライン物販

3%の値上げが越境ECセラーの利益にどう影響するか?

「たった3%」と思う方もいるかもしれませんが、この3%が越境ECセラーの利益に与える影響は、決して無視できるものではありません。特に、単価の低い商品を扱っているセラーさんにとっては、文字通り利益が激減する可能性があります。

例えば、送料が30ドルの商品があったとします。これが3%増えると、30.90ドルになるわけですよね。一見するとわずかな差に見えますが、これが月に何百個、何千個と売れるとなると、年間で数十万、数百万単位で利益が目減りしていく計算になります。うちでも、過去に同様の値上げがあった際に、利益率を再計算して驚いた経験があります。特にアメリカ宛の場合、関税に加えて送料まで上がると、「売れない」のではなく「儲からない」という、かなり厳しい状況に陥ってしまうんですよね。

経営者の視点経営者の視点

他の配送業者も追随する可能性は?コスト構造から見る業界全体のリスク

DHLが値上げに踏み切ったということは、他の配送業者も同様の動きを見せる可能性が高いと僕は見ています。FedExやUPS、そして日本郵便などの国際郵便サービスも、基本的なコスト構造はDHLと共通している部分が多いからです。

特に、アメリカ向けの関税処理の増加や、世界的な人件費・燃料費の高騰といった問題は、特定の配送業者に限った話ではありません。業界全体で抱えている課題なんですよね。実際、僕が情報収集している限りでは、早ければ10月から11月にかけて、他の大手配送業者も値上げを検討しているという声が聞こえてきています。つまり、これは一時的なものではなく、越境EC業界全体の物流コストが上昇していく、という流れだと認識しておく必要があると思います。

今、越境ECセラーが取るべき5つの具体的な対策

こうした状況の中で、僕たち越境ECセラーが何も対策を打たないわけにはいきません。いくつか具体的な対策を挙げてみたいと思います。

1. 送料込み表示への切り替えを検討する

一つ目は、商品価格に送料を含めて表示する「送料込み」方式への切り替えを検討することです。購入者から見ると、送料が別途かかるよりも、最初から総額が分かりやすい方が安心感があります。

送料を商品価格に上乗せすることで、値上げ分のコストを吸収しやすくなりますし、心理的なハードルも下がることがあります。もちろん、競合との価格比較には注意が必要ですが、長期的な視点で見れば有効な戦略になり得ます。

2. 配送方法別の利益率を再計算する

二つ目は、今使っている配送方法ごとの利益率を改めて厳密に計算し直すことです。DHLだけでなく、FedEx、UPS、EMSなど、複数の配送サービスを利用している場合は、それぞれのサービスでどの程度利益が残るのかを正確に把握することが重要です。

僕たちも定期的にこの見直しは行っています。単価の低い商品はA社、高額な商品はB社といった形で、商品の特性に合わせて最適な配送方法を選ぶことで、値上げの影響を最小限に抑えることができます。

3. 商品単価・数量を上げて利益率をカバーする

三つ目は、販売する商品の単価を上げたり、一度に販売する数量を増やしたりして、全体の利益率をカバーする方法です。例えば、関連商品をセット販売する、高付加価値な商品にシフトするといった戦略が考えられます。

「薄利多売」のビジネスモデルは、物流コストが上がると途端に厳しくなります。一つあたりの利益額を確保することで、多少の送料値上げにも耐えられる体質を作っていくことが大切です。

4. アメリカ依存度を下げる

四つ目は、アメリカ市場への依存度を少しずつ下げていくことです。今回の値上げの背景には、アメリカ向けの通関処理の複雑化が大きく影響しています。

もちろん、アメリカは巨大な市場ですが、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、アジア圏など、他の魅力的な市場にも目を向けることで、リスクを分散できます。うちも、アメリカ以外の市場開拓には積極的に取り組んでいます。特定の国に集中しすぎず、ポートフォリオを広げるイメージですね。

5. SpeedPAKなどeBay公式配送との比較もしておく

最後に、eBayを利用しているセラーさんであれば、SpeedPAK(スピードパック)のようなeBay公式配送サービスとの比較検討も忘れないでください。eBayは、セラーの送料負担を軽減するために、独自の配送ソリューションを提供している場合があります。

これらのサービスは、大手配送業者とは異なる料金体系を持っていることが多く、場合によってはコストを抑えられる可能性があります。常に最新の情報をチェックして、自社のビジネスに最適な選択肢を見つける努力が必要です。

まとめ

越境ECにおける物流コストの上昇は、今後も継続する可能性が高いと僕は見ています。しかし、これは決して悲観するだけの話ではありません。変化をいち早く察知し、具体的な対策を講じることで、むしろ競争優位性を確立するチャンスにもなり得ます。

今回お話しした対策を参考に、ぜひご自身のビジネスを見直し、この変化の波を乗り越えていただければ嬉しいです。僕も、常に現場の状況を見ながら、最適な戦略を探し続けていきたいと思っています。

FAQ

Q.DHLの送料値上げの主な原因は何ですか?
主な原因は、トランプ関税再燃による米国向け通関処理の複雑化、世界的なインフレと人件費の高騰、そして年末の物流ピークに備えた先行対応の3つが挙げられます。
Q.3%の値上げはどれくらい影響しますか?
単価の低い商品では利益率に直接影響し、場合によっては「儲からない」状態に陥る可能性があります。例えば30ドルの送料が30.90ドルになることで、年間では大きな利益減につながります。
Q.他の配送業者も値上げする可能性はありますか?
はい、FedEx、UPS、日本郵便など他の主要配送業者も同様のコスト構造を抱えているため、早ければ10月〜11月にも追随する可能性が高いと見ています。
Q.越境ECセラーが今すぐできる対策は何ですか?
送料込み表示への切り替え検討、配送方法別の利益率再計算、商品単価・数量を上げて利益率をカバー、アメリカ依存度の低減、eBay公式配送(SpeedPAKなど)との比較検討の5つが有効です。
Q.送料込み表示に切り替えるメリットは何ですか?
購入者にとって総額が分かりやすく、心理的な購入ハードルが下がることが期待できます。また、値上げ分のコストを商品価格に含めることで、利益率の悪化を吸収しやすくなります。
Q.アメリカ以外の市場開拓はなぜ重要ですか?
アメリカ市場への過度な依存はリスクが高いため、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、アジア圏など、他の魅力的な市場に事業を分散することで、リスクヘッジと新たな成長機会の創出が期待できます。

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