サイゼリヤが「値上げなしで最高益」を叩き出す経営戦略の裏側
インフレ下で価格据え置きながら最高益を更新するサイゼリヤ。その独自の経営戦略を、越境EC経営者・荒木淳平が深掘りします。
CHAPTERS
- 00:00オープニングトーク
- 00:30店内だけの「実質賃金」上昇現象
- 02:10「心の会計」による客単価アップ
- 03:50「クーポン疲れ」と透明性の勝利
- 05:30最新技術を使わない「仕組み化」
- 07:00補足情報:値上げしない理由と唯一の変化
- 08:50まとめ
今の時代、どこに行っても物価が上がって、僕らの生活費もじわじわと圧迫されてますよね。ランチ一つとっても「また値上げか…」って思うことが増えた気がします。でも、そんなインフレの世の中で、価格をほとんど変えずに「最高益」を叩き出している企業があるんです。それが、僕も大好きな「サイゼリヤ」なんですよね。
正直、最初は「なんでサイゼリヤだけそんなことができるんだろう?」って不思議に思いました。ただ単に我慢しているだけじゃない、何か特別な戦略があるはずだと。実際に彼らの経営戦略を読み解いてみると、そこには現代の消費者の心理を巧みに掴んだ、非常に緻密なビジネスモデルが隠されていることがわかります。
なぜサイゼリヤだけが「実質賃金」を上昇させられるのか
世の中全体で見ると、物価は確実に上がっていますし、多くの人が「生活が苦しい」と感じているのは間違いないと思います。もちろん、最低賃金などの「名目賃金」(給料の額面)自体は少しずつ上がっているんですけど、それ以上に物価の上昇スピードが速いから、相対的に購買力は下がっているのが現状ですよね。
ところが、サイゼリヤの店内に入ると、この感覚がガラッと変わるんですよ。僕らの給料は少し増えているのに、サイゼリヤのメニューの価格はほぼ変わらない。これって、サイゼリヤの店内に入った瞬間だけ、「1時間の労働で買えるミラノ風ドリアの数」が増えている、つまり「実質賃金」が上がっているのと同じ状態なんです。
外の世界では貧しくなったように感じるけど、サイゼリヤの中では「あれ? 僕、ちょっと裕福かも?」という錯覚が起きる。この心理的な効果が、圧倒的な集客力につながっているんだと僕は見ています。
「心の会計」を刺激し、客単価を自然に上げるサイゼリヤの妙手
「でも、安く売ってたら儲からないんじゃないですか?」ってよく聞かれるんですけど、ここがサイゼリヤの面白いところなんですよね。実は彼ら、値上げをほとんどしていないのに、客単価は上がっているんです。
これには「心の会計」という消費者の心理が大きく影響しています。例えば、ランチの予算を1,000円と決めていたとしますよね。他の飲食店なら、ランチセットで1,000円がほとんど消えてしまうことが多い。でも、サイゼリヤならメインの料理が300円〜500円くらいで済んでしまうんです。
すると、お客さんは「500円も余った!」って錯覚するんですよ。その浮いたお金で、「じゃあドリンクバーつけようかな」「小エビのサラダも頼んじゃおう」「ワインも飲んじゃおうか」となる。結果として、お客さんは「値上げされた」という痛みを感じることなく、自分から喜んで品数を増やし、支払い額が増えている。これが「ミックス効果」と呼ばれる現象で、サイゼリヤの客単価アップに貢献しているんです。
「クーポン疲れ」を回避する透明性と信頼の戦略
最近だと、マクドナルドさんなんかも値上げはしているけど、クーポンをたくさん配って頑張っていますよね。でも、実は今、マクドナルドのような「値上げ+クーポン戦略」は、成長が鈍化していると言われているんですよ。
これは「クーポン疲れ」という現象が起きているからだと僕は考えています。消費者は、スマホで割引を探す「手間」に疲れ始めていて、「クーポンがないと損した気分になる」こと自体がストレスになってきているんです。僕もたまにクーポンを探すのが面倒で、結局使わないまま会計しちゃうことがありますからね。
その点、サイゼリヤは「いつでも、誰でも、この価格」という圧倒的な透明性を持っています。この安心感が、小手先の割引よりもずっと消費者の信頼を得ているんだと思います。「クーポンを探さなくていい」というタイパ(タイムパフォーマンス)の良さも、現代のニーズに合っているんじゃないでしょうか。
最新技術に頼らない「仕組み化」がサイゼリヤを強くする理由
サイゼリヤのコスト削減というと、最新のロボットを導入しているイメージがあるかもしれません。でも、ここが彼らの真骨頂なんですが、実は「配膳ロボット」は導入していないんですよね。多くの企業が最新テクノロジーに飛びつく中で、サイゼリヤは「既存の設備」を極限まで上手く使うことに長けているんです。
なぜロボットを使わないのかというと、彼らは「人との繋がり」を大事にしているからだと僕は解釈しています。料理を運ぶ時のちょっとした気遣いやアイコンタクトが、クレームを減らし、顧客満足度を高める効果がある。ロボットが運ぶと「冷たい」「邪魔」という不満が出やすい、という現場の声もあるようです。
真の「仕組み化」というのは、何でもかんでも自動化するのが正解じゃない。どこを自動化して、どこに人間味を残すか。この線引きが絶妙だからこそ、サイゼリヤは強いんだと思います。
彼らが「値上げしない」でいられる背景には、徹底した垂直統合型システムがあります。自社農場で種から野菜を育て、自社工場で加工し、自社物流で運ぶことで、中間マージンを極限まで削っているんです。さらに、オペレーションの効率化も徹底していて、厨房に包丁を置かない、お皿を洗いやすい形状にするなど、1秒単位で人件費を削る工夫が随所に見られます。2020年には価格を50円単位に統一して、レジでのやり取りを高速化し、効率を上げたのもすごいですよね。
もちろん、全く変化がないわけではありません。直接的な値上げは避けていますが、ランチセットの構成を変更したり、かつて無料だった粉チーズを有料化したりといった微調整でバランスを取っています。でも、これらも「安いからもう一品」というお客さんの心理が働き、結果的に一人あたりの支払額が自然に増えることで、経営が成り立っているわけです。
まとめ
サイゼリヤの戦略は、単なる価格の安さだけではない、複合的な要因で成り立っていることがわかります。消費者の「心の会計」を理解し、クーポン疲れの時代に透明性で信頼を築き、最新技術に盲目的に飛びつかず、人間味を残した「仕組み化」を徹底する。これからの時代、僕らがビジネスを考える上でも、サイゼリヤから学べることは本当に多いんじゃないかと思いますね。
もし今回の話に興味を持っていただけたら、ぜひ他の記事も読んでみてください。僕らが越境ECで培ってきた経験や、ラグジュアリーリユース市場のリアルな話もたくさんお届けしていますからね。
FAQ
Q.サイゼリヤが値上げしないのに最高益を出せるのはなぜですか?
Q.「実質賃金」がサイゼリヤの店内で上昇するとはどういう意味ですか?
Q.サイゼリヤの「心の会計」戦略とは具体的にどのようなものですか?
Q.なぜサイゼリヤはクーポンを使わないのですか?
Q.サイゼリヤは配膳ロボットのような最新技術を導入していないのですか?
Q.サイゼリヤが低価格を維持できる主な理由は何ですか?
Q.サイゼリヤは全く値上げしていないのですか?
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