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2026.01.13越境ECリユースビジネススーツケース

捨てられたスーツケースは「宝の山」か?越境EC経営者が語るリユースビジネスの落とし穴

越境EC・リユース業界で事業を営む荒木淳平が、一見「宝の山」に見える放置スーツケースビジネスの危険性を解説。見えないコストと市場の現実を語ります。

CHAPTERS

  • 00:00捨てられたスーツケースは「宝の山」か?
  • 01:00なぜ「宝の山」に見えてしまうのか?その落とし穴とは
  • 03:00リユース事業を蝕む「見えないコスト」の正体
  • 05:00「大きいのに単価が安い」リユース品の宿命と市場の現実
  • 07:00放置できない「大型リユース品」問題、どう解決すべきか

空港やホテルで置き去りにされたスーツケースが「宝の山」として注目され、新たなリユース事業に乗り出す企業があるという話を聞くと、僕も期待する気持ちはあります。でも、正直なところ、事業としてこれをやるのはかなり大変だと感じています。

なぜ「宝の山」に見えてしまうのか?その落とし穴とは

まず、なぜスーツケースが「宝の山」に見えてしまうのか、その理由を考えてみましょう。新品で買えば2万、3万、中には10万円以上するような高価なものも多いですよね。それが、キャスターが1個壊れただけとか、置き場所に困ったというだけの理由で捨てられるケースが実際にあるんです。そうすると、「仕入れ値0円で、数千円で売れるなら最高じゃないか!」って多くの人が思うのは無理もないと思います。僕も最初はそう思いました。

しかし、ここからがリユースビジネスの本当の厳しさなんです。僕らがラグジュアリーリユースの世界で培ってきた経験からすると、この「仕入れ値0円」という言葉の裏には、とんでもないコストが隠れているケースが少なくありません。

リユース事業を蝕む「見えないコスト」の正体

リユース業界で何よりも意識しないといけないのが「管理コスト」です。例えば、スマホを100個在庫するならダンボール1箱で済むかもしれません。でも、スーツケースを100個在庫しようとしたら、どれだけのスペースが必要になるでしょうか?部屋が埋め尽くされてしまうくらいの広さが必要になりますよね。うちの倉庫でも、大型品は常にスペースとの戦いです。

リユース業界には「場所にもお金がかかる」という大原則があります。倉庫の家賃を、保管しているスーツケースの個数で割ってみてください。1個置いておくだけで、毎月チャリンチャリンと赤字が積み上がっていくのがわかるはずです。さらに、売れ残ったらどうなるか。家庭ゴミなら数百円で捨てられますが、事業としてやる場合は「産業廃棄物」(事業活動に伴って排出される廃棄物)として処理しなければなりません。捨てるのにもお金がかかるんです。売れなければ、それはただの「有料のゴミ」を抱えているのと同じ状態になってしまいます。

「大きいのに単価が安い」リユース品の宿命と市場の現実

このビジネスモデルは、正直に言って「相場を逸脱している」状態だと僕自身は考えています。リユース品における「大きいもの」には、ある宿命があるんです。それは、「大きいのに単価が安いと、絶対に割に合わない」という法則です。

スーツケースは、送るだけで送料が2,000円、3,000円とかかります。それに清掃の手間、保管スペース代といったコストを積み上げると、本当は「1万円」くらいで売らないと利益が出ないはずなんです。でも、買い手はどう思うでしょうか?「中古のスーツケース?まあ3,000円くらいなら買うかな」とか、「人の使ったものだし、そこまで高いなら新品買うよ」って考えるのが普通じゃないでしょうか。

そう、意外とみんな、リユース品にそこまでの価値を感じていないのが現実なんです。「コストは高いのに、売値は安い」。これが、相場が逸脱している状態です。結果として、場所だけ取って利益が出ない「巨大な不良在庫」が完成してしまうわけです。僕らが扱うラグジュアリーブランド品は単価が高いからこそ、これらのコストを吸収できるんですけど、スーツケースのような商品はなかなか難しいんですよね。

放置できない「大型リユース品」問題、どう解決すべきか

とはいえ、このスーツケースの置き去り問題自体は、社会として解決していかないといけない課題だと強く感じています。ただ廃棄するだけではもったいないですし、環境負荷もかかります。僕の考えでは、この問題は「国が支援して問題を解決する」という視点が不可欠じゃないかと思っています。例えば、リユースを促進するための補助金制度や、回収・再流通のインフラ整備などですね。

そして、もう一つ重要なのは、「+αの使用方法を考える」ことです。ただ引き取って廃棄するのではなく、例えば部品取りをして他のスーツケースの修理に活用したり、素材を別のプロダクトにアップサイクルしたり。そういった工夫の中にこそ、本当のビジネスチャンスが隠されているんじゃないかと僕は見ています。単なる「仕入れ値0円」に飛びつくのではなく、持続可能な視点とクリエイティブな発想で、この課題に取り組む必要があるんじゃないでしょうか。

リユースビジネスは、単に「安く仕入れて高く売る」というシンプルなものではありません。見えないコストや市場の心理、そして社会的な課題解決という視点まで含めて、総合的に考えることが何よりも重要だと、僕たちは常々感じています。

FAQ

Q.捨てられたスーツケースが「宝の山」と言われるのはなぜですか?
新品が高価である一方で、キャスター破損や置き場所の問題でほぼ新品同様のものが捨てられるため、「仕入れ値0円で売れる」と錯覚されがちだからです。
Q.スーツケースのリユース事業で発生する主なコストは何ですか?
最も大きいのは、保管スペースの賃料などの管理コストです。また、清掃の手間や、売れ残った場合の産業廃棄物としての処分費用もかかります。
Q.リユースのスーツケースはどのくらいの価格で売れるものですか?
消費者は中古品に対し3,000円程度の価値しか感じないことが多いです。しかし、送料や管理コストを考えると、事業として利益を出すには1万円以上の価格設定が必要になり、市場価格と乖離します。
Q.「大きいのに単価が安い」リユース品がビジネスとして難しい理由は何ですか?
保管スペースや送料といったコストが大きくかかるにもかかわらず、消費者が中古品に支払う価格が低いため、採算が合わず不良在庫になりやすいからです。
Q.スーツケースのような大型リユース品の課題解決策はありますか?
国や自治体の支援による問題解決や、ただ廃棄するだけでなく「+αの使用方法」を考えることで、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

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