トランプ関税15%の真実: 越境ECセラーが本当に警戒すべきは「デミニミス撤廃」だった
トランプ関税15%の誤解を解き、越境ECセラーに与える真の影響を解説。相互関税の新ルールと、より深刻なデミニミス撤廃について、実体験を交えて荒木淳平が語ります。
CHAPTERS
- 00:00トランプ関税15%の真実とは?
- 00:30関税の新ルール:上乗せ方式から上限設定方式へ
- 01:45MFN税率と相互関税の関係
- 02:30どんな商品が影響を受けるのか?
- 03:45より深刻なデミニミスの撤廃
- 04:50デミニミス撤廃の例外規定
- 05:30まとめと越境ECセラーへの提言
アメリカと日本の間で「トランプ関税15%」が決定したというニュースは、越境ECに携わる皆さんにとって大きな関心事だと思います。でも、この「15%」という数字、実は多くの方が少し勘違いされているんじゃないかと思うんですよね。
一般的な解釈だと、これまでの相互関税が24%から15%に下がった、あるいは一律で15%の関税がかかるようになった、そう思っている方も少なくないようです。でも、実際にルールを紐解いてみると、そう単純な話ではないんです。今回は、このトランプ関税15%の真実と、僕が越境ECの現場で感じている本当の課題についてお話ししたいと思います。
「トランプ関税15%」は本当に「一律15%」を意味するのか?
まず、多くの人が誤解しているポイントから解説させてください。今回の「トランプ関税15%」は、特定の品目に対して相互関税(特定の国間で、特定品目に対して通常の関税に追加で課される税金)が一律15%になるわけではないんです。
これまでの関税ルールは、通常の関税に加えて相互関税が上乗せされる「上乗せ方式」でした。例えば、2025年7月31日までは「通常の関税+相互関税10%」という形で計算されていましたよね。それが、2025年8月1日以降は、「通常関税+相互関税=最大15%まで」という「上限設定方式」に変わるんです。
つまり、相互関税がなくなるわけではなく、通常の関税と相互関税を合計した税率が15%を上限とするというルールになったわけです。赤澤亮正経済再生担当相の公式発表でも、その点が明確にされています。
具体的には、MFN税率(Most Favored Nation rate: 最恵国待遇税率。WTO加盟国間で適用される標準的な関税率)が15%未満の商品の場合、MFN税率と相互関税の合計が15%になるまで税率が引き上げられる可能性があります。一方で、MFN税率がすでに15%以上の商品については、MFN税率のみが適用され、相互関税は不適用となるんです。DHLなどの大手物流事業者も、同様の見解を示していますね。
僕らが現場で感じているのは、この「上限設定」という点が、多くのメディアで「一律15%になる」と誤解されて伝わってしまっている、ということなんですよ。実際は、これまで上乗せされていた相互関税が、合計で15%を超えないように調整される、という理解が正しいんです。
EC・オンライン物販
越境ECセラーが警戒すべき商品は何か?
では、この新ルールでどんな商品が影響を受けるのか。結論から言うと、「一律で15%に上がる」わけではないので、実際は一部のジャンルに限定された影響だと僕は見ています。
例えば、バッグ類やアパレルといった商品ジャンルは、現行とほぼ変わらないか、ごく軽微な影響にとどまる可能性が高いです。もともと関税率が比較的高い商品群なので、上限15%というルールが適用されても、そこまで大きな変化はないということですね。
一方で、自動車パーツやデジカメ、小型家電といった、これまで比較的低関税だったジャンルは要注意です。これらの商品は、MFN税率が15%未満の場合、相互関税が加わることで最大15%まで税率が増加する可能性があります。うちでも、こうした低関税ジャンルの商品を取り扱うセラーさんには、常に最新の情報に注意を払うようアドバイスしていますよ。
実際のところ、今回の変更は「2025年3月以前の税体系とほぼ同じ水準に戻っただけ」という見方もできるんです。過度に不安になる必要はないと僕は思っています。ただ、政府は四半期ごとの見直しを実施予定なので、次回見直しで税率や対象品目が拡大するリスクは常に頭に入れておくべきでしょう。情報収集を怠らないことが、安定したビジネス運営には不可欠だと考えています。
国際物流・貿易
トランプ関税以上に深刻な「デミニミスの撤廃」とは?
僕が今回の発表で、トランプ関税の新ルール以上に越境ECセラーにとってインパクトが大きいと感じているのは、**「デミニミス(De Minimis)の撤廃」**です。これが2025年8月29日から実施されるんですよ。
デミニミスとは、少額貨物免税制度のことで、一定金額以下の貨物に対して関税や消費税を免除する制度です。これまでは、米国に輸入されるUSD800以下の貨物には、原則として関税が課せられませんでした。越境ECで個人向けに商品を販売しているセラーさんにとっては、この制度が大きなアドバンテージだったはずです。
しかし、このデミニミスが撤廃されると、米国に輸入されるUSD800以下のすべての貨物に、一般関税、国際緊急経済権限法関税、その他の適用関税を含む、米国関税率表に基づくすべての適用関税が課せられることになります。これは、これまで関税がかからなかった低価格帯の商品にも、一律で関税がかかるようになる、ということなんですよ。
もちろん、例外はあります。例えば、外国の個人からアメリカの個人に向けたUSD100未満のギフトや贈り物(バージン諸島、グアム、アメリカ領サモアの個人発の場合はUSD200未満)や、アメリカへの海外からの旅行者が持ち込むUSD200以下の私物や家庭用品は対象外です。でも、越境ECでビジネスとして商品を販売しているケースでは、ほとんどが対象になってしまうでしょう。
このデミニミス撤廃は、特に中古品やハンドメイド品など、単価がUSD800を下回る商品を多く扱っているセラーさんにとっては、かなりの痛手になる可能性があります。消費者にとっては、商品価格に加えて関税負担が増えることになるので、購入意欲にも影響が出るかもしれません。うちの会社でも、この影響をどう最小化するか、そしてお客様への伝え方については、常に議論しているポイントなんですよ。商品の価格設定や、配送方法の見直しなど、早めの対策を検討する必要があると考えています。
今回の関税ルール変更とデミニミス撤廃は、越境ECを取り巻く環境が常に変化していることを改めて示していると思います。僕たちは、こうした変化に柔軟に対応し、常に新しい情報を取り入れながら、最適な戦略を立てていく必要があると感じています。
まとめ
今回のトランプ関税15%の真実と、デミニミス撤廃についてお話ししました。
- 「トランプ関税15%」は、通常の関税と相互関税の合計が最大15%までという「上限設定」であり、一律15%になるわけではない。
- 影響を受ける商品は、自動車パーツやデジカメなど、これまで低関税だった一部のジャンルに限定される可能性が高い。
- しかし、政府は四半期ごとの見直しを実施予定のため、継続的な情報収集が不可欠。
- それ以上に越境ECセラーが警戒すべきは、2025年8月29日から実施される**「デミニミスの撤廃」**。これにより、これまで免税だったUSD800以下の貨物にも関税が課せられるため、低価格帯商品を扱うセラーは特に注意が必要となるでしょう。
越境ECの世界は、常に新しいルールや変化に直面します。僕らは、そうした変化を正確に理解し、ビジネスにどう影響するかを常に考え、行動していくことが求められるんだと実感しています。
(同シリーズの他記事もぜひご参照ください。)
FAQ
Q.トランプ関税15%は、すべての商品に一律で適用されるのですか?
Q.MFN税率とは何ですか?
Q.どんな商品がトランプ関税15%の影響を受けやすいですか?
Q.デミニミス撤廃とは具体的にどういうことですか?
Q.デミニミス撤廃はいつから始まりますか?
Q.デミニミス撤廃の例外はありますか?
Q.越境ECセラーとして、今回の変更にどう対応すべきですか?
関連クエリ:
