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2026.06.03Amazon物流越境ECeBayセラー

Amazonの「物流インフラ開放」は越境ECの未来をどう変えるか?eBayセラーに迫る「物流版AWS」の衝撃

Amazonが物流インフラを外部開放し、「物流版AWS」とも呼ばれる新サービスを開始。FedExやUPSだけでなく、越境ECで重要なUSPSにもたらす影響と、eBayセラーが知るべき中長期的なリスクとチャンスを荒木淳平が解説します。

Amazonが自社の巨大な物流インフラを外部企業に開放し始めたのは、単なる新サービス開始以上の意味を持つ、と僕は見ています。これは物流業界、ひいてはEC全体の支配構造を変えかねない、かなり大きな動きなんですよね。特に、僕らが手がける越境ECの世界にも無関係ではいられない話だと思っています。

Amazonが始めた「物流インフラの外部開放」とは?

Amazonが今回拡大しているのは「Amazon Supply Chain Services」という物流サービスです。これは簡単に言うと、これまでAmazonの自社商品やAmazonに出店しているセラー向けに最適化されてきた物流網を、Amazonに出店していない外部企業でも利用できるようにする、というものなんです。保管から配送、最適な在庫配置、輸送、そしてラストワンマイル(最終拠点から顧客への配送)まで、Amazonが持つインフラを一貫して提供するという内容ですね。

つまり、「Amazonで商品を売っていなくても、Amazonの強力な物流が使える」世界が現実になりつつあるわけです。これは従来の物流サービスとは一線を画す、かなりアグレッシブな戦略だと感じています。

なぜFedExやUPSの株価が暴落したのか?

このAmazonの発表を受けて、FedEx株は約9%、UPS株は約10%も下落しました。市場がこれほどまでに過剰に反応したのは、単に「配送会社が一つ増えた」という認識ではないからなんですよ。

市場が本当に恐れているのは、Amazonが持つ「データ」の強さなんです。Amazonは、巨大な倉庫ネットワーク、莫大な配送量、そして何よりも膨大な購買データと、そこから導き出されるAIによる需要予測、在庫最適化、そして配送ルート最適化のノウハウをすべて持っています。これらを統合的に提供できるのは、既存のどの物流会社も真似できないレベルなんですよね。

僕の感覚では、Amazonはもはや「物流会社」ではなく、物流業界の「OS(オペレーティングシステム)」になろうとしているんだ、という危機感が市場に広がったんだと思います。

越境ECセラーが警戒すべきUSPSの危機

僕たちeBayセラーにとって、FedExやUPSももちろん重要ですが、実はもっと身近で、今回じわじわと危険が迫っているのはUSPS(アメリカ合衆国郵便公社)なんですよ。越境EC、特に小型で低単価な商品を扱う場合、USPSは安価な国際配送の基盤として、かなり依存度が高いのが現実です。

Amazonが物流量をさらに吸い上げ始めると、USPSの配送量は必然的に低下します。そうなると、採算が悪化して値上げやサービス縮小につながる可能性が出てくるんですよね。実際に、僕らが利用している配送会社からも、国際郵便のコストは年々上がり続けているという話を聞いています。

もしUSPSが弱体化すれば、越境ECセラーにとっての「安価で手軽な配送インフラ」が失われることになりかねません。これは、日本の僕らのような越境EC事業者にとって、事業の根幹を揺るがすかもしれない大きな問題だと認識しています。

Amazonの「物流版AWS」戦略とは?

このAmazonの動きを見ていると、まるでAWS(Amazon Web Services)の成功パターンを物流の世界で繰り返そうとしているように感じます。AWSは、元々Amazonの社内システムを支えるために作られたクラウドインフラを、後に外部に開放し、今や世界最大のクラウド企業の一つになりました。

Amazonの戦略はいつも同じで、まず「自社用に巨大なインフラを作る」。次に、そのインフラを「外部に開放する」。そして最終的に「業界標準を取る」という流れなんです。今回の物流インフラ開放も、まさにこの「物流版AWS」が始まろうとしている、と僕は見ているわけです。

eBayセラーへの影響と今後の展望

じゃあ、この「物流版AWS」の動きがeBayセラーにどう影響するのか。短期的に劇的な変化はないと思いますが、中長期的にはかなり大きなインパクトがあるんじゃないかと思います。

良い面としては、中小規模のセラーでもAmazonが持つ高品質な物流インフラを使えるようになる可能性が出てきます。これによって配送スピードが改善したり、倉庫運営が効率化されたり、物流格差が縮小したりするかもしれません。

一方で、怖い面も当然あります。Amazonの物流を使えば使うほど、Amazonへの依存度が高まりますし、その結果、利益率の低下や顧客データの喪失につながる可能性も否定できません。何より、物流のルールそのものをAmazonが握ってしまう、という事態が起こり得るわけです。越境ECの世界では、「物流を握る者がルールを握る」というのは、本当に核心をついている言葉だと僕は思っています。

個人的な視点から深掘りすると、これからは「商品戦争」よりも「物流戦争」の時代に入ってきている感じがしますね。eBayセラーがAmazon物流を使う未来は現実的になってくるのか、SpeedPAK(eBayが提供する国際配送サービス)との違いはどうなるのか、USPSはさらに厳しくなるのか、そしてDHLやFedEx、UPSはどう対抗するのか。

物流が民主化されるのか、それともAmazonによる独占が進むのか。AI時代において、商品そのものよりも物流データが重要になってくる可能性も十分に考えられます。将来的には、配送データまで広告活用されるような世界が来るのかもしれない、と考えると、今回のニュースは単なる物流の話では済まない、ECの支配構造全体に関わる変化だと、僕は強く感じています。

FAQ

Q.Amazonの「物流インフラ外部開放」とは具体的に何ですか?
Amazonが自社の商品や出店者向けに構築した巨大な物流網(保管、配送、輸送など)を、Amazonに出店していない外部企業でも利用できるようにするサービス「Amazon Supply Chain Services」のことです。
Q.なぜこの発表でFedExやUPSの株価が暴落したのですか?
市場は、Amazonが持つ膨大な購買データ、AIによる需要予測、在庫最適化といった強力な「データ」を基盤とした物流サービスを脅威と捉え、「物流OS」化を目指すAmazonの戦略に警戒感を示したためです。
Q.越境ECセラーにとって、USPSの状況はなぜ重要なのでしょうか?
eBay越境ECでは、特に小型・低単価商品の配送にUSPSの安価なサービスが多用されています。Amazonが物流量を吸収することでUSPSの採算が悪化し、値上げやサービス縮小につながる可能性があり、セラーの配送コストに直結するためです。
Q.Amazonのこの戦略は、過去のAWSとどう似ていますか?
AWSがAmazonの社内システム用インフラを外部開放して業界標準となったように、今回の物流インフラ開放も「自社用に巨大インフラを構築→外部開放→業界標準化」というAmazonの勝ちパターンを物流で再現しようとしている点です。
Q.eBayセラーにとって、Amazon物流の利用はメリットがありますか?
高品質なAmazon物流を利用することで、配送スピードの改善や倉庫運営の効率化、物流格差の縮小といったメリットが考えられます。中小セラーも大手並みの物流品質を享受できる可能性があります。
Q.Amazon物流を利用する際のデメリットやリスクは何ですか?
Amazonへの依存度が高まり、利益率の低下や顧客データの喪失といったリスクが挙げられます。また、Amazonが物流のルールそのものを握ることで、セラーがコントロールできない部分が増える可能性も懸念されます。
Q.これから物流業界やECはどう変化していくと予想されますか?
「商品戦争」よりも「物流戦争」の時代に入り、物流コストと効率がEC事業の成否を分ける重要な要素になると予想されます。AIによるデータ活用が進み、物流データがECの競争力を左右する時代になるかもしれません。

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