越境ECの物流コスト急騰にどう向き合う?DHL値上げの背景とセラーが今すぐ取るべき5つの対策
DHLの送料値上げを皮切りに、越境ECの物流コストが急騰。40代経営者・荒木淳平が、その背景とセラーが今すぐできる具体的な5つの対策を解説。
CHAPTERS
- 00:00オープニングトーク
- 00:27問題提起
- 01:00値上げの背景と理由
- 02:15今回の値上げ、どれくらい影響するのか?
- 02:50他の配送会社も“追随”の可能性大
- 03:30越境ECセラーが今やるべき対策
- 04:30エンディング
DHLが9月から送料を一律3%値上げすると発表しました。越境ECセラー、特に法人で事業をされている方にとっては、これはかなり大きなインパクトだと感じているんじゃないでしょうか。正直、僕自身も「またか」という気持ちと、「いよいよ本格的に対策を練る時期だな」という危機感を同時に抱いています。今回は、この物流コスト値上げの背景にあるもの、そして僕たちセラーが今すぐできる具体的な対策について、僕自身の経験も交えながらお話ししたいと思います。
なぜ今、越境ECの物流コストは上昇しているのか?
今回のDHLの値上げ、そして今後追随するであろう他の配送業者の動きの背景には、いくつか複合的な要因があるんですよ。実際に現場で事業をやってきて感じるのは、もはや一時的な変動ではなく、構造的な変化が起きているということです。
1. トランプ関税の影響と通関処理の複雑化
まず大きな要因として挙げられるのが、いわゆる「トランプ関税」の影響です。これは米中貿易摩擦に伴う追加関税のことなんですが、これによって米国向けの通関処理が格段に複雑になったんですよね。税金表示や申告作業が追加され、配送業者側の業務量が大幅に増えました。当然、これを処理するための人件費もかさんでくる。うちでも米国向けの荷物を出す際には、以前より通関にかかる時間が長くなったり、細かい確認が入ったりするケースが増えました。配送業者もボランティアじゃないので、この負担を価格に転嫁せざるを得ないというのは、正直理解できる部分ではあります。
2. 世界的なインフレと人件費の高騰
次に、世界的なインフレと人件費の上昇があります。これはもう、越境ECに限らず、あらゆる業界で共通の課題ですよね。燃料費は高騰し続けていますし、特に航空貨物系の現場では、必要な人員を確保するのが非常に難しくなっていると聞きます。人手不足は、そのまま人件費の高騰に直結しますから、これも物流コスト全体を押し上げる大きな要因になっているんです。
3. 年末の物流ピークに向けた先行対応
そして、もう一つ見逃せないのが、「年末の物流ピーク」に向けた先行対応という側面です。毎年11月から12月にかけては、ブラックフライデーやサイバーマンデー、クリスマス商戦といったeコマースの需要がピークを迎えます。この時期は荷物が集中して、物流網全体が逼迫するのが常なんですよね。配送業者としては、このピーク時に一気に価格を上げるよりも、事前に段階的に値上げをしておく方が、顧客へのインパクトを緩和できるという判断があるんじゃないかと思います。毎年1月から2月にはまた値上げがあることが多いので、今年は少し早めの動き出しという感じですね。
EC・オンライン物販
3%の値上げが越境ECセラーに与える具体的な影響とは?
「たかが3%」と思う方もいるかもしれませんが、これが積み重なると、特に低単価商品を扱っているセラーにとっては利益に直結する大きな問題になります。例えば、送料が30ドルの商品があったとしましょう。3%の値上げで、これが30.90ドルになるわけです。わずか0.9ドルの差ですが、これが100個、1,000個と売れていくと、年間でかなりの金額になるのは想像に難くないですよね。
特にアメリカ宛の場合、関税に加えて送料も上がるという「ダブルパンチ」の状態になります。僕のところでも、以前は利益が出ていた商品が、最近のコスト増で「売れても儲からない」状態になってしまったケースがいくつか出てきています。価格転嫁しようにも、競合との兼ね合いや顧客の購買意欲を考えると、なかなか難しいのが現状なんですよ。
経営・チーム
他の配送会社も“追随”の可能性が高い理由
DHLが値上げを発表したということは、正直、他の配送業者も追随する可能性が高いと見ています。FedExやUPS、そして日本郵便などの国際郵便も、基本的なコスト構造は共通しているからです。
特に、先ほども話したアメリカ向けの関税処理の増加は、どの配送業者にとっても共通の負担になります。物流業界の横のつながりも強いですから、一社が値上げに踏み切れば、他社も自社の収益を守るために同様の動きに出るというのは、過去の事例を見ても明らかです。早ければ10月〜11月には、他の大手配送業者も値上げを検討しているという声も耳にしています。常に最新の情報をキャッチアップして、状況を注視しておく必要があると強く感じています。
越境ECセラーが今すぐ取り組むべき5つの対策
では、僕たち越境ECセラーは、この状況に対して具体的にどういった対策を取るべきなのでしょうか。僕自身の経験と、うちの会社で実際に取り組んでいることを踏まえて、5つの対策をご紹介します。
1. 送料込み表示への切り替えを検討する
顧客からすると、送料が別途かかるのは心理的なハードルになることがあります。これを機に、商品価格に送料を含めた「送料込み表示(Free Shipping)」に切り替えることを検討してみてはどうでしょうか。一見、商品価格が高くなったように見えますが、顧客は最終的に支払う金額で判断しますし、「送料無料」という表示は購買意欲を高める効果も期待できます。ただし、価格転嫁の度合いは慎重に見極める必要がありますね。
2. 配送方法別の利益率を再計算する
今一度、商品ごと、そして配送方法ごとの利益率を詳細に再計算してみてください。DHLだけでなく、FedEx、UPS、EMS(国際スピード郵便)など、複数の配送方法を使っている場合、今回の値上げで利益率が大きく変わる可能性があります。どの配送方法がどの商品で最も利益が出るのか、あるいは逆に赤字になってしまうのかを正確に把握することが、今後の戦略を立てる上で不可欠です。
3. 商品単価・数量を上げて利益率をカバーする
単価の低い商品で利益が出にくくなるのであれば、商品単価を上げるか、一度に販売する数量を増やすことで利益率をカバーするという方法があります。例えば、関連商品をセットにして販売する「バンドル販売」を強化したり、より高額な商品ラインナップにシフトしたりするのも有効です。僕のところでも、最近は単価の高いラグジュアリーリユース品に注力することで、物流コストの増加分を吸収する戦略を取っています。
4. アメリカ依存を下げる
これも非常に重要な視点です。アメリカ市場は大きいですが、関税や送料の問題でリスクが高い状況が続いています。アメリカ一辺倒ではなく、ヨーロッパやアジアなど、他の市場への販売を強化することも検討すべきです。地域によって関税や送料の構造も異なりますし、市場を分散させることで、特定のリスクに左右されにくい安定した事業運営が可能になります。実際に、うちでも最近はヨーロッパ向け、特にドイツやフランスへの販売を強化しています。
5. SpeedPAKなどeBay公式配送との比較もしておく
eBayで販売しているセラーであれば、SpeedPAK(スピードパック)のようなeBay公式の配送サービスも選択肢に入れるべきです。これらのサービスは、eBayが大量の荷物を扱うことで、一般的な配送業者よりも有利な料金体系を提供している場合があります。今回の値上げを機に、SpeedPAKの料金と、あなたが現在使っている配送方法の料金を改めて比較検討してみてください。意外なところでコスト削減の余地が見つかるかもしれませんよ。
まとめ
物流コストの値上げは、越境EC事業を営む上で避けては通れない課題です。しかし、「儲からない」と諦めるのではなく、「どうすればこの状況でも儲けを出せるか」を考えるのが経営者の仕事だと僕は思っています。
今回ご紹介した対策は、すぐに取り組めるものもあれば、中長期的な視点が必要なものもあります。常に最新の情報をキャッチアップし、柔軟に戦略を変更していくことが、これからの越境ECビジネスを成功させる鍵になるんじゃないでしょうか。僕自身も、これからも現場のリアルな情報と対策を皆さんと共有していきたいと思っています。
FAQ
Q.DHLの値上げはいつから適用されますか?
Q.今回の値上げの主な原因は何ですか?
Q.3%の値上げはどの程度越境ECに影響しますか?
Q.他の配送業者も値上げする可能性はありますか?
Q.越境ECセラーが今すぐできる対策は何ですか?
Q.アメリカ依存を下げるメリットは何ですか?
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