人手不足倒産が過去最多更新。中小企業を襲う『静かな倒産ラッシュ』のリアル
越境EC経営者・荒木淳平が語る、人手不足倒産の実態と対策。従業員退職型倒産の増加、賃上げ難の課題、そして従業員が定着する「働きやすい環境」の作り方を解説します。
CHAPTERS
- 00:00問題提起:人手不足倒産のリアル
- 01:00いま起きている“静かな倒産ラッシュ”
- 02:30どの業種で起きている?中核人材の退職リスク
- 04:00もう一つの問題“賃上げ難倒産”
- 05:30「働きやすい環境」をつくる実務と対策
- 07:00まとめ
最近、ニュースでもよく報じられているんですけど、企業の倒産件数が増えているのは、決して物価上昇だけが原因じゃないんですよ。僕が現場で肌感覚として強く感じるのは、人手不足を起因とする倒産、特に「従業員退職型倒産」が非常に増えているという現実です。
正直、業績が悪化したから倒産、というよりも、人がいなくなったことで事業が回らなくなって倒産、というケースが先行しているんです。これは、多くの中小企業にとって非常に深刻な問題だと感じています。
人手不足倒産が過去最多を更新中。何が起きているのか?
「人手不足倒産」という言葉、まだ聞き慣れない方もいるかもしれませんね。これは、単に採用が難しいだけでなく、既存の従業員が退職することで事業継続が困難になるケースを指します。
帝国データバンクの調査によると、2023年の人手不足倒産は251件に上り、そのうち「従業員退職型倒産」が74件。年間で100件を超えるペースで過去最多を更新しているんですよ。僕自身も、経営者仲間から「人が辞めてしまって事業が立ち行かない」という相談を受けることが増えました。これは、まさに「静かな倒産ラッシュ」と呼ぶべき状況だと感じています。
経営・チーム
どの業種が特に危険なのか?事業の中核を失うリスク
では、具体的にどの業種でこの問題が顕著なのかというと、いくつか特徴的な傾向が見られます。
まず、第1位はサービス業ですね。特にITや映像制作の分野では、技術力のある人材の引き抜きが頻繁に起きています。優秀な人材が退職すると、残ったメンバーでプロジェクトを回すために外注費が増大し、結果的に粗利が崩壊して破綻に至るケースがあるんです。例えば、ピーシーネットさんのような事例も報道されています。
次に目立つのが建設業です。ここは資格保有者や施工管理、営業幹部といった中核人材の連鎖退職が致命傷になります。現場が動かせなくなり、工期が遅延することで事業が停止してしまう。クレセントホームさんの事例も、まさにこの典型でした。
製造業、卸売業、運輸通信業でも過去最多のペースで人手不足倒産が増えています。これらの業種に共通するのは、**「中核人材の退職が、事業継続に直撃弾となる」**という点です。うちのような越境EC事業でも、特定のスキルを持つ人材が抜けることは大きな痛手になりますから、常に危機感を持って人材育成と定着に取り組んでいますね。
MONOSHARE
「賃上げ難倒産」が中小企業を追い詰める背景
もう一つ、人手不足を加速させているのが「賃上げ難倒産」という問題です。
今の転職市場は、待遇改善に非常に敏感なんですよ。求職者は、より高い給与や良い労働条件を求めて動きます。大企業であれば賃上げ余力がある場合も多いですが、多くの中小企業は、なかなか十分な賃上げに踏み切れないのが現実です。物価高騰でコストは上がるのに、売上を大きく伸ばすのは難しい、というジレンマに陥っています。この状況が、賃上げ余力の乏しい中小企業に逆風となり、「辞められたら終わり」という構造が顕在化しているんです。
正直なところ、うちも賃上げは常に経営課題として意識しています。優秀な人材を維持し、新たな人材を惹きつけるためには、給与水準の向上は避けて通れない道だと考えていますよ。
従業員が定着する「働きやすい環境」をどう作るか?
では、どうすればこの厳しい状況を乗り越え、従業員が定着する「働きやすい環境」を作れるのか。僕自身も日々試行錯誤している部分です。
まず大切なのは、給与だけでなく、働きがい、人間関係、成長機会といった「バランス」を見ていくことだと思います。お金だけでは人は動きませんし、やりがいだけでも長くは続きません。個々の従業員が何を求めているのか、対話を通じて理解する努力が欠かせないんです。
また、「ダメ社員の扱いは配置で解決する」という考え方も重要です。安易に「使えない」と判断するのではなく、その人の強みや特性をどこで活かせるのか、部署異動や役割変更を検討する。僕自身も、過去に「この人はどう活かそうか」と悩んだ社員が、配置を変えた途端に能力を発揮し始めた経験が何度もあります。まずは相談を通じて、本人の意向も聞きながら、最適な場所を見つけることが大切だと考えています。
そして、組織には常に「20%の理論」というものがあると言われます。これは、どんな組織にも、新しい挑戦を求める人、あるいは何らかの課題を抱えている人が約20%はいる、という考え方です。この20%の人たちにどう向き合い、どう彼らのポテンシャルを引き出すか、あるいは課題を解決していくかが、残りの80%の社員のエンゲージメントやパフォーマンスにも大きく影響するんですよ。うちの会社でも、社員一人ひとりの声に耳を傾け、彼らが安心して働ける環境を整えることに、何よりも力を入れています。それが結果として、会社の成長に繋がると信じているんです。
FAQ
Q.人手不足倒産とはどのような倒産ですか?
Q.「従業員退職型倒産」が増えている理由は何ですか?
Q.特に人手不足倒産が多い業種はどこですか?
Q.「賃上げ難倒産」とは具体的にどういうことですか?
Q.従業員が定着する「働きやすい環境」を作るには何が重要ですか?
Q.「20%の理論」とは何ですか?
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