MONOSHARE
2026.08.20越境EC米国関税対日関税

米国「対日12.5%関税案」は決定か?越境EC経営者が語る、法的な壁と対策

越境EC・ラグジュアリーリユース業界で事業を営む荒木淳平が、米国が提案する「対日12.5%関税案」の現状と、事業者が直面する法的な壁、特に「証明責任」の恐ろしさについて解説します。まだ提案段階ではありますが、今から備えるべきリスクと対策を語ります。

CHAPTERS

  • 00:00オープニングトーク
  • 00:00現状と仕組み:12.5%関税は「決定」ではない?
  • 00:00恐怖のルール:米国特有の「証明責任」と法的な壁
  • 00:00エンディング

現在、越境EC業界で大きな注目を集めているのが、米国が提案している「対日12.5%の追加関税案」です。この数字だけが独り歩きして、不安を感じている事業者の方も多いんじゃないかと思うんですよね。僕自身も日々、このニュースの動向を追いかけています。

結論から言うと、この12.5%の関税案は、現時点では「決定」しているわけではありません。しかし、だからといって楽観視できる状況でもないんですよ。むしろ、この提案の背景にある米国のスタンスや、彼ら特有の法制度を理解しておくことが、僕たち越境EC事業者には何よりも重要だと感じています。

対日12.5%関税案はまだ「提案段階」だが、警戒は必要

まず、最も重要なポイントとして、この「対日12.5%の関税案」は、現時点では米通商代表部(USTR)が進めている「提案段階」にある、ということを冷静に受け止める必要があります。まだ確定したわけではない、ということですね。

じゃあ、なぜ日本が狙い撃ちにされているのか。その背景には、中国・新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題があるんです。アメリカ側から見ると、日本は「強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない国」とみなされ、追加関税のグループに入れられてしまった、というのが現状だと言われています。これは、僕たち日本のサプライチェーン全体に対する信頼の問題でもあり、決して他人事ではない話なんですよ。

ただ、誤解してはいけないのは、単純に今の関税に「+12.5%」が上乗せされるわけではない、という点です。実効税率は「上限15%」に収まる見込みだとされています。つまり、今まで関税0%だった商品は12.5%になる可能性があり、すでに数%かかっている商品も、合計で最大15%程度に調整される可能性が高い、ということなんですよね。一見すると上限があるから安心、と思うかもしれませんが、これまで無関税で送れていた商品にとっては、かなりのコスト増になるわけです。

EC・オンライン物販EC・オンライン物販

米国特有の「証明責任」こそが、関税率以上に恐ろしい壁になる

「なんだ、まだ提案段階なら気にしなくていいのか」と考える方もいるかもしれません。でも、正直なところ、僕はそうは思いません。なぜなら、今回の提案の根拠である「通商法301条」という法律が、非常に厄介な特徴を持っているからなんです。この301条措置は法的な安定性が高く、一度実施されてしまうと、大統領が変わってもそう簡単には覆らないという特徴があります。つまり、一度決まれば、長期的に影響が出続ける可能性がある、ということなんですよね。

そして、僕がこの関税案以上に恐れているのが、米国特有の「証明責任」という考え方です。日本の法律は「疑わしきは罰せず」が基本ですが、アメリカの税関は真逆なんです。「少しでも怪しいならまず輸入をストップし、問題がないことを『企業側』に証明させる」という、めちゃくちゃ厳格なスタンスを取るんですよ。

これは実際に僕のビジネスでも経験がある話なんですけど、過去にもうちの取引先の商品が「材料の出所が証明できない」という理由で、税関で差し止められた事例がありました。その時は、書類の不備だったんですが、一つ一つの部品の原産地証明を詳細に求められ、結局、出荷が数週間止まってしまったんですよね。この「証明責任」こそが、関税のパーセンテージ以上に、僕たち越境EC事業者にとって恐ろしい壁になるんです。

たとえ関税率が12.5%や15%に収まったとしても、この証明責任を果たせないと、そもそも商品が米国に輸入できない、という事態になりかねません。これはビジネスの機会損失だけでなく、在庫の滞留や、最悪の場合は商品が廃棄されるリスクまで伴います。だからこそ、僕たちは今からサプライチェーンの透明性を高め、材料の調達先や製造工程に関する書類を完璧に準備しておく必要があると強く感じています。

経営・チーム経営・チーム

今後の越境EC事業者が備えるべきこと

今回の米国による対日関税案は、まだ提案段階とはいえ、僕たち越境EC事業者にとっては無視できない大きなリスクだと考えています。僕らが今できることは、ただニュースの動向を見守るだけでなく、万が一の事態に備えて、自社のサプライチェーンを見直し、原産地証明や材料のトレーサビリティを徹底することです。

特に、今回のような国際的な貿易摩擦は、いつ、どの国を対象に発生するか分かりません。だからこそ、一つの市場に依存しすぎないリスク分散や、複数の国での販売チャネルを構築しておくことも、これからの越境ECには不可欠な戦略になってくるんじゃないかと思っています。僕たちJP.Company(Monoshare)も、常にそうしたリスクヘッジを意識して事業を進めています。

今回の件は、僕たち日本の越境EC事業者が、グローバルなビジネス環境において、より高いレベルでコンプライアンス意識とリスク管理能力を求められている、というメッセージだと受け止めるべきだと僕は考えています。

FAQ

Q.米国「対日12.5%関税案」はいつから適用されますか?
現時点ではまだ「提案段階」であり、いつから適用されるかは確定していません。米通商代表部(USTR)がプロセスを進めており、今後の動向を注視する必要があります。
Q.12.5%関税は全ての日本製品に適用されますか?
提案されているのは、一部の製品群に対してです。ただし、強制労働に関わる製品や部品がサプライチェーンに含まれると見なされた場合、対象となる可能性が高まります。
Q.なぜ日本が追加関税の対象とされているのですか?
中国・新疆ウイグル自治区などでの強制労働問題が背景にあります。米国は、日本が「強制労働で作られた部品や素材の流入を十分に防げていない国」とみなしているためです。
Q.「通商法301条措置」とは何ですか?
米国の貿易法の一つで、外国の不公正な貿易慣行に対して制裁を課すことを可能にするものです。一度実施されると、政権交代後も覆りにくいという特徴があります。
Q.「証明責任」とは具体的にどのようなものですか?
米国の税関では、輸入する商品に問題がないことを企業側が証明する責任があります。少しでも疑わしいと判断されると、輸入がストップし、企業がその正当性を証明しなければなりません。
Q.越境EC事業者はこの関税案にどう備えるべきですか?
サプライチェーンの透明性を高め、材料の調達先や製造工程に関する書類を完璧に準備しておくことが重要です。また、特定の市場への依存度を下げるリスク分散も有効です。
Q.関税の上限が15%というのは本当ですか?
はい、提案されている関税は「上限15%」に収まる見込みです。ただし、今まで関税が0%だった商品にとっては、新たなコスト負担が発生する可能性があります。

関連クエリ:

米国 対日関税 12.5%越境EC 米国関税通商法301条 日本米国 税関 証明責任荒木淳平 関税海外EC リスク対策米国 輸入規制 日本

CONTACT / VIEW SERVICES

SHARING JAPAN'S FINEST
WITH THE WORLD.

ご質問・お問い合わせがございましたら、お気軽にお問い合わせください。